アスカネットは22年4月期業績予想を上方修正

(決算速報)
アスカネット<2438>(東マ、新市場区分グロース)は3月7日の取引時間終了後に22年4月期第3四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍の影響が和らいで大幅増収増益だった。そして通期業績予想を上方修正して大幅増益予想とした。下期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、会社予想に再上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調だろう。株価はセブンーイレブン店舗「デジPOS」を好感して急騰している。乱高下する場面があるが、上方修正も好感して上値を試す展開を期待したい。

■22年4月期3Q累計大幅増収増益、通期予想を上方修正

22年4月期第3四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比比11.9%増の46億88百万円、営業利益が2.6倍の3億69百万円、経常利益が95.7%増の3億74百万円、四半期純利益が2.1倍の2億62百万円だった。コロナ禍の影響が和らいで大幅増収増益だった。

セグメント別(22年4月期から名称変更、内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が10.6%増の20億18百万円で営業利益が17.7%増の5億17百万円だった。コロナ過も影響して葬儀の小型化が継続しているが、葬儀施行件数が正常化し、画像処理技術やピント復元ツールなどの強みを生かした営業も奏功して新規契約件数が順調に推移した。この結果、遺影写真加工収入、ハード機器売上、サプライ品の売上が増加した。利益面は、人員増強で人件費が増加し、展示会出展で広告宣伝費も増加したが、増収効果やオペレーションセンター稼働率上昇効果で吸収した。

写真集関連のフォトブック事業は売上高が12.1%増の25億49百万円で営業利益が72.9%増の4億88百万円だった。一般消費者向け「マイブック」は旅行や各種イベントの自粛に伴う撮影機会の減少で厳しい状況が続いているが、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」のウェディング市場において、コロナ禍の影響が和らいで売上が想定以上に回復した。利益面は、売上回復に伴って自社工場の稼働率が上昇した。

空中結像プレートASKA3D関連の空中ディスプレイ事業は売上高が35.1%増の1億20百万円で営業利益が2億38百万円の赤字(前年同期は1億90百万円の赤字)だった。売上面は海外向けが増加したため増収だが、利益面は展示会出展の再開に伴う広告宣伝費の増加、技術開発センターの本格稼働に伴う研究開発費や減価償却費の増加で赤字が拡大した。なおセブンーイレブン店舗「デジPOS」実証実験開始など、将来の量産化に向けた実績を積み上げている。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が14億66百万円で営業利益が42百万円、第2四半期は売上高が14億64百万円で営業利益が71百万円、第3四半期は売上高が17億58百万円で営業利益が2億56百万円だった。

通期の業績(非連結)予想は3月7日付で上方修正して、売上高が21年4月期比9.6%増の63億26百万円、営業利益が59.0%増の4億41百万円、経常利益が34.8%増の4億45百万円、当期純利益が38.7%増の3億12百万円とした。配当予想は据え置いて21年4月期と同額の7円(期末一括)としている。

従来予想に対して、売上高は56百万円、営業利益は1億56百万円、経常利益が1億60百万円、当期純利益が1億12百万円、それぞれ上回る見込みとした。営業利益は従来の小幅増益予想から大幅増益予想に、経常利益と当期純利益は従来の減益予想から一転して大幅増益予想に転じた。

コロナ禍の影響が和らいで売上高が従来予想を上回り、利益面ではフューネラル事業における利益率が相対的に高い画像加工収入の好調、フォトブック事業における自社工場稼働率の回復が寄与する見込みだ。

修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.1%、営業利益が83.7%、経常利益が84.0%、当期純利益が84.0%となる。下期の構成比が高い収益特性を考慮すれば、会社予想に再上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価はセブンーイレブン店舗「デジPOS」を好感して急騰している。乱高下する場面があるが、上方修正も好感して上値を試す展開を期待したい。3月7日の終値は1250円、今期予想PER(会社予想のEPS18円57銭で算出)は約67倍、時価総額は約218億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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