ヤマシタヘルスケアホールディングスは22年5月期業績・配当予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1、新市場区分スタンダード)は、3月31日の取引時間終了後に22年5月期第3四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍の影響が和らぎ、営業強化も奏功して大幅増益だった。そして通期業績・配当予想を上方修正し、前回予想に比べて減益幅・減配幅が縮小する見込みとした。第3四半期累計の各利益は修正後の通期予想を超過達成している。第4四半期の構成比が高くなる傾向なども考慮すれば通期予想は再上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。株価は急反発して戻り高値圏だ。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年5月期3Q累計大幅増益、通期業績・配当予想を上方修正

 22年5月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前期比増減率は非掲載、利益への影響なし)は、売上高が406億36百万円、営業利益が26.0%増の8億52百万円、経常利益が25.3%増の9億07百万円、親会社株主帰属四半期純利益が19.2%増の5億92百万円だった。

 コロナ禍の影響が和らぎ、営業強化も奏功して実質的に増収となり、各利益は大幅増益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ132億35百万円減少している。

 医療機器販売業は売上高が404億79百万円(収益認識会計基準適用前ベースでは8.6%増の537億13百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が28.5%増の15億06百万円だった。コロナ禍の影響が和らいで医療需要が回復傾向となり、主力商品の販売が好調だった。収益認識会計基準適用前ベースの売上高の内訳は、一般機器分野が16.6%増の97億20百万円、一般消耗品分野が4.6%増の177億95百万円、低侵襲治療分野が9.6%増の128億08百万円、専門分野が3.4%増の86億31百万円、情報・サービス分野が16.7%増の47億56百万円だった。

 医療機器製造・販売業は売上高が2億14百万円で利益が80.9%減の12百万円、医療モール事業は売上高が51百万円で営業利益が7百万円の赤字(前年同期は1百万円の黒字)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が128億85百万円で営業利益が2億02百万円、第2四半期は売上高が144億50百万円で営業利益が4億61百万円、第3四半期は売上高が133億01百万円で営業利益が1億89百万円だった。医療機関の設備投資関連で第2四半期と第4四半期の構成比が高くなる傾向がある。

 通期連結業績予想は上方修正して、売上高が544億26百万円、営業利益が21年5月期比14.3%減の8億30百万円、経常利益が12.9%減の8億94百万円、親会社株主帰属当期純利益が20.5%減の5億39百万円とした。配当予想は期末22円上方修正して、21年5月期比27円減配の63円(期末一括)とした。

 前回予想に比べて売上高は45億87百万円、営業利益は2億87百万円、経常利益は3億09百万円、親会社株主帰属当期純利益は1億93百万円それぞれ上回り、減益幅が縮小する見込みとした。コロナ禍の影響が和らぎ、営業強化も奏功して売上高が想定以上に回復している。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.7%、営業利益102.7%、経常利益101.5%、親会社株主帰属当期純利益109.8%である。各利益は修正後の通期予想を超過達成している。第4四半期の構成比が高くなる傾向なども考慮すれば通期予想は再上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、急反発して戻り高値圏だ。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。3月31日の終値は2122円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円37銭で算出)は約10倍、時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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