【アナリスト水田雅展の相場展望】4~6月期業績発表本格化を控えてモミ合い展開

株式・為替相場展望

7月21日~24日の株式・為替相場は全体として堅調だが、国内主要企業の4~6月期業績発表の本格化を控えているため、様子見ムードを強めてモミ合い展開を想定する。

前週(7月13日~17日)は、ギリシャ財政支援問題や中国・上海株問題への過度な警戒感が後退し、日経平均株価は週間終値ベースで871円09銭上昇した。17日終値では2万650円92銭まで上伸した。また為替は1ドル=124円台前半までドル高・円安方向に傾く場面があった。

ギリシャ財政支援問題や中国・上海株問題への警戒感が後退したことは好材料だが、いずれも根本的に解決したわけではなく問題の先送りにすぎない。そしてギリシャ問題は当分の間落ち着きそうだが、中国・上海株は当面不安定な動きに注意が必要となりそうだ。

国内主要企業の4~6月期業績発表に関しては、主力銘柄の発表本格化を次週(27日~31日)に控えて、21日の安川電機<6506>、22日の日本電産<6594>、23日の信越化学<4063>といった注目銘柄の業績が、株式市場全体の流れに影響を与えるかどうかが焦点だろう。

また国内の波乱要因としては、安倍内閣の支持率急低下に対して注意が必要となりそうだ。支持率回復に向けた成長戦略のアピールが期待されるものの、政権の安定・不安定に敏感な外国人投資家がポジション調整に動く可能性もあるだろう。

株式市場での物色動向としては、市場予想を上回る4~6月業績や通期予想増額修正を発表した銘柄の個別物色はもちろんだが、その他に猛暑関連銘柄、成長戦略のロボット・医療関連銘柄、TPP(環太平洋経済連携協定)関連銘柄、サイバーセキュリティ関連銘柄、海外要因の影響を受けにくいネット・ゲーム関連銘柄、22日に6月訪日外国人数が発表されるインバウンド需要関連などに注目したい。

為替に関しては日米欧の金融政策の方向性の違いを背景に、大勢としてドル高・円安方向の流れに変化はなく、米FRB(連邦準備制度理事会)の年内利上げ開始観測も高まっている。ただし引き続き米国の主要経済指標や要人発言を睨みながら利上げ開始時期を巡る思惑が交錯し、ドル・円相場は概ね1ドル=123円台~124円台でモミ合う展開だろう。

その他の注目スケジュールとしては、22日の米6月中古住宅販売、23日の米6月コンファレンスボード景気先行指数、24日の中国7月HSBC製造業PMI速報値などがあるだろう。(アナリスト・水田雅展)

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