インフォマートは先行投資で22年12月期1Q大幅減益だが進捗率順調

(決算速報)
 インフォマート<2492>(東証プライム)は、4月28日の取引時間終了後に22年12月期第1四半期連結業績を発表した。積極的な先行投資を継続しているため大幅減益だった。そして通期の大幅減益予想を据え置いた。第1四半期の進捗率は概ね順調であり、DXニーズも背景として先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、22年12月期大幅減益予想は織り込み済みだろう。売り一巡して出直りを期待したい。

■22年12月期1Qは先行投資で減益、通期減益予想据え置き

 22年12月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響なし)は、売上高が前年同期比11.4%増の25億60百万円、営業利益が52.1%減の1億83百万円、経常利益が57.8%減の1億69百万円、親会社株主帰属四半期純利益が61.3%減の1億10百万円だった。利用企業数が順調に増加して2桁増収だが、将来の売上成長に向けて積極的な先行投資を実行し、データセンター費や販促費などが増加したため大幅減益だった。

 BtoB-PF FOOD事業は売上高が9.0%増の18億06百万円で、セグメント利益(調整前営業利益)が19.1%減の4億89百万円だった。新規契約数の増加でシステム使用料売上が増加した。コロナ禍影響緩和で食材流通額が増加し、売り手企業の従量制システム使用料が増加したことも寄与した。なお受発注の買い手企業数は前期末比70社増加の3509社、買い手店舗数は1193店舗増加の6万7203店舗、売り手企業数は453社増加の4万573社となった。

 BtoB-PF ES事業は売上高が17.3%増の7億54百万円、利益が3億09百万円の赤字(前年同期は2億21百万円の赤字)だった。受取モデル・発行モデルとも新規有料契約企業数が増加したことに加えて、大手企業を中心に稼働(請求書電子データ化)が進展してシステム使用料売上が増加した。請求書の有料契約企業数は443社増加の6971社(受取モデルが243社増加の4435社、発行モデルが200社増加の2536社)となった。ログイン社数は3万6640社増加して70万7168社となった。契約書の利用企業数は「脱ハンコ」による契約書電子化の流れも背景に4048社増加の3万1344社となった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年12月期比11.7%増の109億86百万円、営業利益が90.3%減の1億円、経常利益が96.0%減の41百万円、親会社株主帰属当期純利益が92.0%減の43百万円としている。配当予想は21年12月期比1円25銭減配の18銭(第2四半期末9銭、期末9銭)としている。

 セグメント別計画は、BtoB-PF FOOD事業の売上高が8.8%増の76億19百万円でセグメント利益(調整前営業利益)が12.0%減の19億03百万円、BtoB-PF ES事業の売上高が18.8%増の33億67百万円で利益が17億96百万円の赤字(21年12月期は11億37百万円の赤字)としている。

 22年12月期は利用企業数増加や食材流通金額回復などで2桁増収だが、売上成長の加速を優先して積極的な先行投資を継続し、売上原価ではデータセンター費やソフトウェア償却費、販管費では人件費や販促費が増加するため、各利益は大幅減益予想としている。

 第1四半期の進捗率は売上高が23.3%、営業利益が183.0%、経常利益が410.8%、親会社株主帰属当期純利益が255.9%と順調だった。販促費や外注費などの発生が第2四半期以降に期ズレとなったため、各利益は通期予想を超過達成の形となったが、第2四半期に解消される見込みとしている。

 外食産業における受発注の電子化、企業における請求書の電子化、23年開始のインボイス制度などのDXニーズも背景として、先行投資の成果で中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏で軟調だが、22年12月期減益予想は織り込み済みだろう。売り一巡して出直りを期待したい。4月28日の終値は655円、そして時価総額は約1699億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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