ミロク情報サービスは23年3月期営業・経常利益横ばい予想だが保守的

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は、5月13日の取引時間中に22年3月期連結業績を発表した。ソフトウェア売上やストック型のソフト使用料などが伸長し、先行投資を吸収して増収増益だった。23年3月期はソフトウェアの提供形態を売り切り型からサブスクリプション型へ徐々に移行することや、先行投資などを考慮して営業・経常利益横ばい予想としているようだ。ただし保守的だろう。会社予想は上振れの可能性が高く、クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍く年初来安値圏に回帰した。決算発表に対してもやや売りが優勢になった。ただし売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期増収増益、23年3月期営業・経常利益横ばい予想だが保守的

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が21年3月期比7.4%増の365億97百万円、営業利益が5.8%増の47億89百万円、経常利益が5.8%増の47億71百万円、親会社株主帰属当期純利益が70.2%増の45億17百万円だった。なお特別利益に、pring社株式譲渡に伴う関係会社株式売却益20億87百万円を計上した。配当は21年3月期比7円増配の45円(期末一括=普通配当40円+特別配当5円)とした。

 ソフトウェア売上やストック型のソフト使用料などが伸長し、新製品リリースに伴う製品償却費の負担増や人件費の増加などの先行投資を吸収して増収増益だった。収益認識会計基準適用の影響額としては、従来方法に比べて売上高が3億82百万円減少、売上原価が3億68百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益がそれぞれ13百万円減少している。

 システム導入契約売上高は21年3月期比4.7%増の202億36百万円(ハードウェアが13.5%減の31億10百万円、ソフトウェアが9.3%増の124億16百万円、ユースウェアが7.8%増の47億09百万円)だった。

 サービス収入は21年3月期比6.8%増の130億04百万円(会計事務所向けTVSが1.7%増の25億17百万円、ソフト使用料が20.8%増の27億78百万円、企業向けソフトウェア運用サービスが6.2%増の55億96百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービスが2.6%増の15億05百万円、サプライ・オフィス用品が8.7%減の6億06百万円)だった。ストック型のソフト使用料がサブスクリプションモデル採用なども寄与して大幅伸長した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が87億47百万円で営業利益が9億39百万円、第2四半期は売上高が90億34百万円で営業利益が14億23百万円、第3四半期は売上高が94億86百万円で営業利益が14億33百万円、第4四半期は売上高が93億30百万円で営業利益が9億94百万円だった。

 23年3月期の連結業績予想は売上高が22年3月期比6.0%増の388億円、営業利益が0.2%増の48億円、経常利益が0.6%増の48億円、親会社株主帰属当期純利益が特別利益の剥落で35.8%減の29億円としている。配当予想は特別配当5円を落として、22年3月期比5円減配の40円(期末一括)としている。

 ソフトウェアの提供形態を売り切り型からサブスクリプション型へ徐々に移行することや、先行投資などを考慮して営業・経常利益横ばい予想としているようだ。ただし保守的だろう。会社予想は上振れの可能性が高く、クラウドサービスの伸長や積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く、年初来安値圏に回帰した。決算発表に対しても売りがやや優勢になった。ただし売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。5月13日の終値は1240円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS97円13銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約3.2%、時価総額は約432億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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