ケンコーマヨネーズは22年3月期減益だが上振れ着地、23年3月期予想は未定

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は5月13日に22年3月期連結業績を発表した。原料価格高騰の影響で減益だったが、前回予想に対しては上振れて着地した。そして配当も上方修正した。23年3月期の連結業績・配当予想については、経済情勢や原材料価格の不透明感が強いため未定としている。ただし、外食向けの需要回復、販売価格改定、生産効率改善、全社的な経費削減への取り組みなどで収益回復基調だろう。株価は小動きだが徐々に下値を切り上げている。23年3月期予想未定に対するネガティブ反応も限定的だった。出直りを期待したい。

■22年3月期減益だが上振れ着地、23年3月期予想は未定

 22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比10.4%増の756億47百万円、営業利益が18.2%減の16億16百万円、経常利益が20.9%減の16億22百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.9%減の12億11百万円だった。なお配当は期末2円上方修正して21年3月期比3円減配の17円(第2四半期末7円、期末10円)とした。

 ファストフード向けの好調などで増収だったが、原料価格高騰の影響などで減益だった。ただし、前回予想(売上高732億円、営業利益14億30百万円、経常利益15億円、親会社株主帰属当期純利益10億50百万円)に対しては、上振れて着地した。

 調味料・加工食品事業は売上高が11.5%増の575億52百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が16.7%増の18億87百万円だった。ファストフード向けの好調、外食向けの回復に加えて、21年7月から進めているマヨネーズ類の価格改定効果なども寄与した。

 総菜関連事業等は売上高が7.3%増の172億32百万円、利益が81.6%増の9億84百万円だった。中食需要も背景として、ダイエットクック白老および関東ダイエットクック神奈川工場の売上が順調に拡大し、稼働率向上で利益も拡大した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が182億82百万円、営業利益が4億03百万円、経常利益が4億15百万円、第2四半期は売上高が192億05百万円、営業利益が2億97百万円、経常利益が2億84百万円、第3四半期は売上高が200億93百万円、営業利益が6億39百万円、経常利益が6億29百万円、第4四半期は売上高が180億67百万円、営業利益が2億77百万円、経常利益が2億94百万円だった。

 23年3月期の連結業績・配当予想については、経済情勢、食用油をはじめとした原材料価格、さらにエネルギー価格などの不透明感が強いため、未定としている。ただし、外食向けの需要回復、販売価格改定、生産効率改善、全社的な経費削減への取り組みなどで収益回復基調だろう。

■株価は下値切り上げ

 株価は小動きだが徐々に下値を切り上げて26週移動平均線を回復している。23年3月期予想未定に対するネガティブ反応も限定的だった。出直りを期待したい。5月16日の終値は1381円、時価総額は約228億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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