マーチャント・バンカーズは23年3月期も大幅増益予想

(決算速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は5月13日に22年3月期連結業績を発表した。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引して大幅増益だった。そして23年3月期もマーチャント・バンキング事業の成長が牽引して大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は安値圏に回帰してモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期大幅増益、23年3月期も大幅増益予想

 22年3月期第の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比66.3%増の27億20百万円、営業利益が52.4%増の3億35百万円、経常利益が64.8%増の2億18百万円、親会社株主帰属当期純利益が70百万円(21年3月期は44百万円の赤字)だった。配当は21年3月期と同額の2円(期末一括)とした。

 コロナ禍の影響でオペレーション事業の回復が遅れたことなどで各利益は前回予想を下回ったが、マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、販管費の抑制なども寄与して大幅増益だった。なお特別損失に減損損失50百万円、投資有価証券評価損32百万円、貸倒引当金繰入額40百万円などを計上した。

 マーチャント・バンキング事業は売上高が2.1倍の20億80百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が18.9%増の5億94百万円だった。賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移し、営業投資有価証券として保有するCN Innovations Holdings Limitedの売却、収益不動産3物件の売却(北海道函館市の福祉施設、大阪市天王寺区の収益用マンション、札幌市中央区の収益マンション)の売却など国内外から得られる投資収益も寄与して大幅増収増益だった。

 オペレーション事業は売上高が1.5%減の6億40百万円で、利益が61百万円の赤字(前年同期は1億05百万円の赤字)だった。子会社ケンテンの店舗でのプロモーション販売やブルーポートホテル苅田北九州空港などがコロナ禍の影響を受けたが、赤字縮小して収益回復傾向である。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が12億28百万円で営業利益が3億01百万円、第2四半期は売上高が7億56百万円で営業利益が28百万円、第3四半期は売上高が3億04百万円で営業利益が21百万円の赤字、第4四半期は売上高が4億32百万円で営業利益が27百万円だった。

 23年3月期第の連結業績予想は売上高が22年3月期比1.1%増の27億50百万円、営業利益が49.2%増の5億円、経常利益が64.4%増の3億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.3倍の2億30百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の2円(期末一括)としている。

 事業環境として、コロナ禍の影響が和らいで下期以降に経済活動の回復を見込み、オペレーション事業におけるホテルオペレーション撤退の影響をマーチャント・バンキング事業の成長でカバーして大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏に回帰してモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。5月17日の終値は297円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円80銭で算出)は約38倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、そして時価総額は約88億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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