【注目銘柄】シミックホールディングスは業績再上方修正と最高純益更新をテコに底値打診買い

注目銘柄

 シミックホールディングス<2309>(東証プライム)は、5月16日に突っ込んだ年初来安値1373円から底上げしている。同社株は、今年4月28日に今2020年9月期業績の2回目の上方修正を発表し、純利益が、10期ぶりの過去最高更新の更新幅を拡大させたが、反応は限定的で手仕舞い売りに押されてきたが、1株純資産(BPS)1544円割れは売られ過ぎとして底上げ期待の打診買いが入った。テクニカル的にも、25日移動平均線から約6%マイナスかい離し、株式需給的にも昨年11月高値1685円の高値期日が一巡することも、「陰の極」として買い手掛かり視されている。

■コロナ治療薬・ワクチンの開発案件と大規模接種案件が堅調推移

 同社の今9月期業績は、今期第1四半期決算発表時の今年1月に期初予想から上方修正されたが、その増額値を第2四半期(2021年10月~3月期、2Q)決算開示の4月28日にさらに上ぶれ修正された。1月修正値より売り上げを20億円、営業利益を16億円、経常利益を20億円、純利益を9億円それぞれアップさせたもので、売り上げ970億円(前期比13.1%増)、営業利益76億円(同54.4%増)、経常利益78億円(同53.2%増)、純利益39億円(同92.7%増)と見込み、純利益は、過去最高の22億4100万円(2012年9月期)を10期ぶりに更新するが、その更新幅を拡大させる。新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発案件や、自治体向けのワクチン接種支援事業が堅調に推移していることが寄与した。ただ2Q業績を牽引した大規模ワクチン接種は減少しているとした。

 なお2Qの製薬ソリューションの受注高は前年同期比33.7%増、受注残は同17.3%増、ヘルスケアソリューションでは受注高が同2.1倍、受注残が同20.8%増と大きく伸びた。今期配当は、年間34円(前期実績33.5円)と連続増配を予定している。

■PER6倍、PBR0.9倍の売られ過ぎ水準から再発進

 株価は、昨年11月の前期業績の2回目の上方修正で1685円と高値反応し、新型コロナウイルス感染症拡大の第5波の感染収束とともに1411円まで調整し、今期業績の1回目の上方修正と第6波対応のまん延防止等重点措置の発令で1617円までリバウンドしたが、重点措置の解除とともに下値を探る動きが続き、今期業績の2回目の上方修正にもかかわらず昨年11月の高値期日売りも重なり年初来安値1373円まで売られた。ファンダメンタルズ的にはPERは6.4倍、PBRも0.90倍、テクニカル的にも25日移動平均線から5.9%のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆しており、まずBPS奪回から年初来高値1682円を目指して再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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