【株式市場特集】「攻め6分、守り4分」の好業績株の個別銘柄物色にフォーカス

 週明けの東京市場が、米国市場のコピー相場となるか米国市場離れで始まるかは不透明である。そこで今週の当特集は、この中間を狙って「攻め6分、守り4分」の好業績株の個別銘柄物色にフォーカスすることにした。候補株は、今期業績が黒字転換と予想され、この黒転で即割安株に大変身する「究極の高変化株」である。

 多分、理論派の証券アナリストの守備範囲外だろう。しかし、これまで地合い重視の証券マンの業績評価基準で株価インパクトの強いとされたのは「水準より変化率」とするセオリーであった。利益が高水準で安定的に推移している銘柄よりも業績の変化率が高い意外性のある銘柄を選好するセオリーである。このセオリーの応用篇の自分流業績相場となる。米国市場のコピー相場だろうと、米国市場離れだろうと、強気相場だろうと弱気相場だろうと独自評価で逆行高の素地があり、株価優先度がアップすることを期待したい。

■自己株式取得がプラスワンの究極株に特損一巡の資源関連株も浮上

 「究極の高変化株」でまず注目は、業績の黒字転換予想で投資採算的に割安評価に変わり、なおかつこの業績ガイダンスとともに自己株式取得を発表したプラスワンの銘柄である。コード番号順に上げるとセントラル硝子<4044>(東証プライム)、北川鉄工所<6317>(東証プライム)、マクセル<6810>(東証プライム)、山口フィナンシャルグループ<8418>(東証プライム)の4銘柄が該当する。PERはセントラル硝子の3.9倍からマクセルの10.0倍の間に分布し、PBRは最割り負けの山口FGで0.25倍、最も割高のセントラル硝子で0.85倍にしか過ぎない。年間配当利回りも、今期配当の増配を予定している北川鉄工と山口FGは4.4%、4.5%と市場予想を大きく上回る。

 資源関連株でも石油資源開発<1662>(東証プライム)と千代田化工建設<6366>(東証スタンガード)が、「究極の高変化株」に浮上する。いずれも前期で特別損失の計上が一巡したための黒字転換で、石油資源開発は、今期配当を年間140円に大幅増配予定で配当利回りは4.96%に高まる。千代田化工建設は、LNG(液化天然ガス)などの大規模プロジェクト次第で業績が浮き沈みする「狩猟民族」とされるビジネスモデルのプラント株の一角に位置しており、「ポスト・ウクライナ」の今後のエネルギー情勢次第でなお活躍場面が膨らみそうだ。

■黒字転換予想で逆に下ぶれた関連株は底値逆張りのチャンス

 サワイグループホールディングス<4887>(東証プライム)のように業績の黒字転換予想で逆に年初来安値まで売られたケースがあるが、もちろんこれは売られ過ぎである。決算発表とほぼ同時に同業他社の日医工<4541>(東証プライム)が、事業再生ADRを検討と伝えられストップ安した煽りを受けたためで、PERは9.7倍、PBRは0.9倍、配当利回りは3.3%でありリバウンド余地が大きい。同様に黒字転換予想業績発表もなお先行き不透明となって年初来安値に下ぶれた北越メタル<5446>(東証スタンダード)、エイチワン<5989>(東証プライム)、小倉クラッチ<6408>(東証スタンダード)、安永<7271>(東証プライム)、日本プラスト<7291>(東証スタンダード)なども、底値逆張りのチャンスとなりそうだ。

 今期業績は黒字転換の予想でもまだ復配には踏み切れない片肺飛行の銘柄は、復配実現で双発エンジン化するような際には推進力のアップが予想される。大井電気<6822>(東証スタンダード)、松尾電機<6969>(東証スタンダード>、日本ケミコン<6997>(東証プライム)は要注目となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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