【銘柄診断】エンシュウは業績の回復基調が鮮明、時価総額100億円を意識

銘柄診断

 エンシュウ<6218>(東証プライム)は26日、12円高(1.62%高)の749円まで上げてと続伸し、16日につけた年初来高値748円を更新している。

 今期大幅増益の続伸が見込まれ、大幅増配を予定していることを好感。割安株買いが入っている。

■今3月期営業利益66%増益を見込む

 13日に発表した2022年3月期決算は、前22年3月期売上高239億0400万円(前の期比8.1%増)、営業利益7億5100万円(同62.2%増)、経常利益6億3800万円(同50.5%増)、純利益3億7000万円(同47.8%増)に着地。

 今期は部品加工関連事業が、主要顧客の大幅な需要回復により、生産量が回復したことが売上に貢献。工場での操業改善や費用削減が奏功したほか、工作機械関連事業が下期に回復したことが寄与した。

 今23年3月期売上高300億円(前期比25.5%増)、営業利益12億5000万円(同66.3%増)、経常利益10億円(同56.6%増)、純利益7億5000万円(同2.0倍)を予想。年間配当は26円(同13円増)を予定。株主優待制度を23年3月末時点の株主から株主優待制度を導入する。毎年3月末時点で1500株以上かつ、継続して1年以上を保有する株主を対象として、3000円相当の地元特産品を贈呈する。

■プライム市場の上場維持基準100億円を強く意識

 同社は、EV化の流れは今後も加速していくと判断し、2021年4月からスタートした新中期経営計画では、5年間でエンジン市場から新市場へ事業シフトを図り、2025年度売上高500億円、営業利益35億円目標を掲げている。また、昨年11月4日に新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書を公表し、プライム市場の上場維持基準100億円(現在47億円)を強く意識したもので、今回の2022年3月期決算は市場から高い評価を得たと思われる。

■24か月移動平均線を突破するか注目

 株価は、2013年5月高値2330円、18年1月高値2240円のダブルトップを形成した後、同年12月安値855円、20年3月安値669円、21年12月安値565円と売られ三段下げ終了から上昇している。業績は回復基調を鮮明し、今期予想PER6倍台・PBR0.4倍と割安感があり、上値抵抗線の24か月移動平均線を突破するか注目したい。(信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る