【注目銘柄】本多通信は連日の年初来高値、大幅続伸業績と連続増配をテコに低位割り負けハイテク株買い

注目銘柄

 本多通信工業<6826>(東証プライム)は7日、39円高の579円まで上げて、連日の年初来高値更新となっている。同社の今2023年3月期が、2ケタの連続増益と予想され、配当も連続増配を予定していることをテコに低位値ごろの割り負けハイテク株買いが増勢となった。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、株式需給的にも信用売り残が積み上がり売り長となっていることも、サポート材料視されている。

■コネクタ需要が全分野で伸び価格改定、円安想定も寄与

 同社の今2023年3月期業績は、前期業績が、今年1月の上方修正値を上ぶれ3ケタの増益とV字回復した勢いのままに売り上げ200億円(前期比8.4%増)、営業利益14億円(同59.9%増)、経常利益14億円(同34.2%増)、純利益10億円(同44.1%増)と大幅続伸を見込んでいる。コネクタ需要が、FA・通信分野を中心に全分野で伸びて受注残が高水準に達しており、部材や物流費の上昇は合理化と価格改定で吸収し、想定為替レートも、前期期中平均の1ドル=112円(前々期実績106円)から1ドル=116円と円安方向としていることも寄与する。

 配当は、前期配当を業績の上方修正とともに年間12円(前々期実績7円)に増配したが、今期も年間17円と連続増配を予定している。なお同社は、東証の市場区分再編に際して東証プライム市場の上場基準の流通株式時価総額と1日平均売買代金が未達となり、適合計画書を作成してプライム市場上場を選択申請した。同計画書では、2025年度を最終年度とする中期経営計画を推進することにより上場基準クリアを目指しており、その時点で株価が800円以上となれば流通株式時価総額は119億2000万円になると試算した。その中期経営計画は今回、目標業績を上方修正し売り上げは200億円から250億円、純利益は12億円から17億5000万円へそれぞれ引き上げた。

■GC示現と信用倍率0.5倍もフォローして2019年12月高値を意識

 株価は、前期の四半期業績が黒字転換して着地しても業績信頼性を取り戻すのに時間がかかり、下値を探る下降トレンドが続き、今年1月に年初来安値393円に突っ込んだ。同安値からは、前期業績の上方修正、増配で底上げに転じ、今期業績の続伸・連続増配予想で年初来高値追いとなった。この間、GCを示現して上昇トレンド転換を示唆し、信用取組倍率も0.5倍と好需給となっている。PERも12.49倍、PBRも1.06倍と割り負けており、前日取引時間中に553円と昨2021年3月高値545円を上抜いたここからは、2020年10月高値562円、同1月高値595円を各通過点に2019年12月高値665円が次の上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る