セキドの関戸正美社長にインバウンド需要取り込みを聞く
- 2015/7/26 19:57
- IRインタビュー
- セキド, インバウンド需要取り込み, 関戸正美社長
■インバウンド需要取り込みに集中、今期大幅黒字転換
セキド<9878>(東2・売買単位1000株)は時計などの高級輸入ブランド品を「銀座ラブラブ」のブランドで全国23店舗で展開する。6月から全店舗での免税店販売体制を整えインバウンド需要取り込みに取り組んでいる。今期は大幅黒字転換見通しから株価は好人気。関戸正美社長に近況を聞いた。
■23の全店舗で免税店販売実施、中国人観光客に加え在日中国人需要増加
<Q>輸入ブランド品が主力の御社ですが、消費の動向はいかがですか。
<A>個人消費は、消費増税の影響が一巡し回復の兆しは見られるものの、本格回復には至っていません。こうした中でインバウンド需要は好調です。とくに、前事業年度に開始した免税店小売法人(ラオックス)向けのバッグ、時計などの商品提供がたいへん好調です。また、当社においては、旗艦店の銀座店など7店舗において先行して免税店販売を実施したのに続いて6月後半に残り16店を加え23店舗すべてにおいて免税店販売を実施しインバンウンド需要取り込みに全力で取り組んでいます。
<Q>店舗は関東圏のほかに地方でも展開されています。地方でもインバウンド需要は期待できますか。
<A>大いに有望です。当社の店舗は関東圏で12店舗、東北エリア2店舗、東海エリア5店舗、甲信越・北陸エリア2店舗、近畿エリア2店舗の合計23店舗で全国展開しています。最近の中国人観光客の特徴は、6大都市においてはホテルが取り難いことから団体でも個人でも地方観光が増えています。たとえば、富士山を観て、名古屋、京都へ向うというコースがたいへん人気ですが、ホテル不足で名古屋では宿泊しないで長野県諏訪に宿泊するケースが増えています。諏訪では水陸両用バスが中国人観光客にすごい人気となっています。諏訪周辺のホテルなどにチラシを置く効果で当社の諏訪店は好調です。また、京都府木津川市・高の原店も京都と奈良に近く、数多くの世界遺産など観光立地に恵まれているため期待できるとみています。
<Q>さらに、在日中国人需要と地方の国内富裕層需要の取り込みにも取り組んでいらっしゃるようですが。
<A>とくに、静岡県浜松市、群馬県太田市は在日中国人の方が多いところですが、中国から親戚・知人の方が観光で訪れるケースが増えていますので販促を強化することで来日中国人観光客と在日中国人の両方の需要を取り組みたいと思っています。既に実績が上がり手応えを感じています。なかでも、自動車や楽器関係で勤務する中国人が多い浜松は有望です。さらに、インバウンド需要と同時に地方店舗においては百貨店の外商部のような展開で富裕層を取り込むこと着手しています。「銀座ラブラブ」のブランドがかなり高まってきたので今が飛躍できるチャンスと捉えています。
<Q>中国株安の影響はありませんか。今期見通しについてもお願いします。
<A>好調な月次売上が続いています。中国株安の影響は感じられません。オリンピックまではインバウンド中心に好事業環境が続くとみています。このインバウンド需要を地方店舗に取り込んでいくことに今もっとも力を入れています。前期(2015年2月期)は消費増税の影響で減収、営業赤字でした。今期は決算期を2月から3月へ変更するため13カ月決算ですが売上は124億円(前期は12カ月決算で101億6800万円)、営業利益1億6000万円(同赤字6億8600万円)の見通しです。
株価は年初来高値が285円(6月17日)、同安値130円(1月6日)で直近7月24日終値は260円。出来高は連日、活発である。