【株式市場特集】選挙結果を予め打診する方法?材料出尽くしかセカンダリー相場が本格化するか

特集

 株式市場から選挙結果を予め打診する方法がある。「一寸先は『インベスト・イン・キシダ』」かの先取りである。参議院選挙の争点といえば、もちろん物価高騰を前にした消費税減税問題、ウクライナ危機を背景にした安全保障問題だろう。しかし、黒田東彦日銀総裁の「家計の値上げ許容度は高まっている」とか茂木敏充幹事長の「年金3割カット」とかのイレギュラー発言もあって、兜町が、これまで「インベスト・イン・キシダ」として目立って反応したのは、6月7日に閣議決定された「骨太の方針」の「人への投資」関連株であった。

 「人への投資」は、3年間で4000億円の投資を計画し、リスキリング(学び直し)、成長分野への労働移動、副業・兼業の促進などを骨子とし、政策支援としては広く薄いきらいはあるものの、それでもリスキリング関連でKIYOラーニング<7353>(東証グロース)がストップ高し、その前には「国民皆歯科健診」では歯愛メディカル<3540>(東証スタンダード)が、ストップ高目前まで急騰して年初来高値まで買われた。「一丁目一番地」の本筋銘柄ではなく、脇道銘柄の先取り買いである。その後、2銘柄とも往って来い以上の調整となったが、この第一幕目に続き第2幕のセカンダリーがあるのかないのか試してみるのも、兜町流の選挙結果の事前予想となるはずだ。

 投票日翌日の7月11日に「理想で買って現実で売る」材料出尽くしとなるか、セカンダリー相場が本格化するのか「インベスト・イン・キシダ」の有効性をテストしてみるのも一法となりそうだ。

■リスキリング、兼業・副業関連では低PER銘柄から株価優先度

 「骨太の方針」関連株は、3つのセクターに絞りたい。まずKIYOラーニングがストップ高したリスキリング関連である。コード番号順に列挙すると、同社株を含めてクシム<2345>(東証スタンダード)、ビジネス・ブレークスルー<2464>(東証プライム)、ジェイテック<2479>(東証グロース)、EduLab<4427>(東証グロース)、テクノプロ・ホールディングス<6028>(東証プライム)、インソース<6200>(東証プライム)、ブリッジインターナショナル<7039>(東証グロース)、アルー<7043>(東証グロース)などとなる。いずれも値ごろが低位にあることで共通し、第1ステージではグロース株で無配継続銘柄ほど値動きが目立ったが、セカンダリーに向けては、投資採算的に低PER水準にあるクシム、ビジネス・ブレークスルー、アルー、ブリッジなどをターゲットにした方が無難かもしれない。

 兼業・副業・転職関連では、コード番号順にキャリアデザインセンター<2410>(東証プライム)、クラウドワークス<3900>(東証グロース)、ココナラ<4176>(東証グロース)、ランサーズ<4484>(東証グロース)、エン・ジャパン<4849>(東証プライム)、リクルートホールディングス<6098>(東証プライム)、アトラエ<6194>(東証プライム)、MS-Japan<6539>(東証プライム)、みらいワークス<6563>(東証グロース)、ギークス<7060>(東証プライム)、Branding Engineer<7352>(東証グロース)、サーキュレーション<7379>(東証グロース)などと続く。ここでも業績が水面下で無配継続のグロース銘柄が多いが、相対的に低PER水準に位置するキャリアデザインセンター、MSーJAPN、みらいワークス、配当利回りが4%台に乗せるエン・ジャパン、日経225採用銘柄のリクルートHDなどの株価優先度が高そうだ。

■「国民皆歯科検診」関連株は先行2社を追う出遅れ訂正へバリュー株素地

 歯愛メディカルが、ストップ高寸前まで急騰し年初来高値を更新した「国民皆歯科健診」関連では、歯科治療機器のナカニシ<7716>(東証スタンダード)も年初来高値へ急伸した。両社株のほか人工歯の松風<7979>(東証プライム)、歯科向け総合システムを展開の電算システムホールディングス<4072>(東証プライム)、子会社が同システムに高実績のUSEN-NEXT HOLDINGS<9418>(東証プライム)、歯科向けサイト運営の東和ハイシステム<4172>(東証スタンダード)などが関連株となる。低PER、高配当利回りなどバリュー株素地を内包している銘柄も多く、先行2社を追って出遅れ訂正が見込まれそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  2. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  3. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  4. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  5. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  6. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る