【編集長の視点】ジャパンエンジンコーポレーションは1Q決算発表の先取り好業績期待を高める

編集長の視点

 ジャパンエンジンコーポレーション<Jエンジン、6016>(東証スタンダード)は、前日1日に31円高の1168円と高値引けで急続伸した。同社株は、今週4日に今2023年3月期第1四半期(2022年4月~6月期、1Q)決算の発表を予定しており、同業他社の舶用エンジンメーカーのダイハツディーゼル<6023>(東証スタンダード)が、コンテナ船の建造ラッシュを背景に今期1Qの好決算を発表しで株価が続急伸しており、追撃期待を高めて割安修正買いが増勢となった。同じく決算発表中の近接業種の海運大手が、相次ぐ好業績を背景に大幅増配に進み高人気化していることも、側面支援材料視されている。

■脱炭素エンジンの投資負担増も舶用エンジンに豊富な受注高

 同社の今2023年3月期業績は、今年4月1日付けで子会社を吸収合併したことにより連結決算から単独決算に移行しており、売り上げ140億円(前期比6.4%増)、営業利益1億9000万円(同66.3%減)、経常利益4億7000万円(同21.9%減)、純利益5億5500万円(同2.8%増)と増収減益転換が予想されている。中小型ケミカル船やハンディサイズバルクキャリア向けの舶用エンジン(UEC42LSH型主機関)の国内外の受注は、累計で50台を超え高操業が続くものの、海運業界の脱炭素のカーボンニュートラル向けにアンモンニア・水素燃料エンジンの研究開発、設備投資が本格化し、この負担増や資機材価格の高騰が続いていることから慎重な業績予想となっている。

 同業他社のダイハツディーゼルも、今2023年3月期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績は、増収2ケタ減益転換を予想していたが、7月28日に発表した今期1Q業績は、大幅増収増益で着地し、すでに2Q予想業績を上回ったことがサプライズとなっており、この再現期待がJエンジンにも波及した。Jエンジンは、前期業績を今年2月に上方修正し、配当も再増配しており、この実績も後押しとなっている。

■PER5倍、PBR0.4倍の割安修正で半値戻しから全値戻しにトライ

 株価は、ロシアのウクライナ侵攻による世界同時株安の影響で年初来安値778円に突っ込んだが、今年2月の前期業績の上方修正・再増配にUEC42LSH型主機関の受注拡大が続いて、2日連続のストップ高を交えて年初来高値1588円まで急騰し、今期業績の減益転換予想で今度はストップ安を交え966円まで調整し、舶用エンジンでのバイオ燃料試験運転実施をテコに1266円まで戻し、1100円台固めを続けてきた。PERは5.88倍、PBRは0.49倍と割安であり、年初来高値から直近安値までの調整幅の3分の1戻しをクリアしたここからは、半値戻しの1277円を上抜き全値戻しにトライしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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