インテージホールディングスは23年6月期2桁増益で連続増配予想、自己株式取得も発表

(決算速報)
 インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は8月5日の取引時間終了後に22年6月期連結業績を発表した。主力のパネル調査やカスタムリサーチが好調に推移して増収となり、成長投資を吸収して営業増益で着地した。そして配当を上方修正した。23年6月期は2桁増益で連続増配予想としている。マーケティング支援(消費財・サービス)が牽引して収益拡大基調だろう。なお自己株式取得も発表した。株価は7月の年初来安値圏から反発の動きを強めている。好業績や自己株式取得を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年6月期営業増益・増配、23年6月期2桁増益・連続増配予想

 22年6月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが影響軽微)は、売上高が21年6月期比4.6%増の602億32百万円、営業利益が5.2%増の46億49百万円、経常利益が2.5%減の49億52百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が1.4%増の34億18百万円だった。配当は期末3円上方修正して21年6月期比3円増配の38円(期末一括)とした。

 増収・営業増益だった。マーケティング支援(消費財・サービス)事業において主力のパネル調査やカスタムリサーチが好調に推移し、マーケティング支援(ヘルスケア)事業およびビジネスインテリジェンス事業の減収影響や、先行投資に伴う費用増加をカバーした。

 マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が8.2%増の385億03百万円、営業利益が20.4%増の23億00百万円だった。主力のパネル調査やカスタムリサーチが好調に推移した。リモート環境にシフトした営業活動やサービス展開も定着した。海外もオンライン調査を主業務とするデータスプリング社が好調だった。

 マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が1.1%減の145億52百万円、営業利益が2.9%減の21億97百万円だった。主力のリサーチ事業が投資活動に伴うリソース再配置の影響などで前年を下回った。CRO(医薬品開発業務受託機関)の製造販売後調査は抜本的な改善の取り組みで収益性が改善した。データサイエンス事業は臨床開発業務の稼働率が高水準で推移した。

 ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が1.3%減の71億77百万円、営業利益が38.6%減の1億51百万円だった。インテージテクノスフィアにおいて、コロナ禍の影響が大きい既存業界向けソリューションが苦戦した。利益面では不採算案件の発生も影響した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が138億04百万円で営業利益が8億82百万円、第2四半期は売上高が153億27百万円で営業利益が17億52百万円、第3四半期は売上高が178億89百万円で営業利益が24億18百万円、第4四半期は売上高が132億12百万円で営業利益が4億03百万円の赤字だった。第4四半期は後倒しとなっていた成長投資を計画通りに実行した。

 23年6月期連結業績予想は、売上高が22年6月期比6.3%増の640億円、営業利益が11.8%増の52億円、経常利益が13.1%増の56億円、親会社株主帰属当期純利益が17.0%増の40億円としている。配当予想は22年6月期比4円増配の42円(期末一括)としている。連続増配予想である。

 環境変化に柔軟かつスピーディーに対応しながら、データ利活用サービスやソリューションの開発、人材育成・強化などに取り組むとしている。マーケティング支援(消費財・サービス)が牽引して収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 8月5日付で自己株式取得を発表した。上限160万株・20億円で、取得期間は22年8月8日~23年2月28日としている。

 株価は7月の年初来安値圏から反発の動きを強めている。好業績や自己株式取得を評価して戻りを試す展開を期待したい。8月5日の終値は1475円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS101円93銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の42円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS776円32銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約596億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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