ケンコーマヨネーズは原材料価格高騰で23年3月期1Q減益だが売上回復基調

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は8月10日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響で減益だったが、売上面は経済活動正常化への動きを背景として、外食分野を中心に回復基調となった。通期予想は不透明感が強いため引き続き未定としているが、製品価格改定効果や工場稼働率上昇・生産効率改善なども寄与して収益回復基調だろう。株価はやや小動きだが徐々に水準を切り上げて戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■23年3月期1Q減益だが売上回復基調、通期予想は未定

 23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の200億85百万円、営業利益が14.7%減の3億44百万円、経常利益が16.4%減の3億47百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.0%減の2億44百万円だった。原材料価格やエネルギーコストの高騰の影響で減益だったが、売上面は飲食店への営業制限解除など経済活動正常化への動きを背景として、外食分野を中心に回復基調となった。

 調味料・加工食品事業は売上高が13.0%増の156億31百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が21.0%減の1億90百万円だった。原材料価格やエネルギーコストの高騰の影響で減益だったが、売上面は外食分野を中心に回復基調となった。サラダ・総菜類では主力商品である1kg形態のポテトサラダの売上が回復した。タマゴ加工品は大手製パンメーカー向けやコンビニエンスストア向けのタマゴサラダが増加し、厚焼き卵が外食チェーンやコンビニエンスストアで採用された。マヨネーズ・ドレッシング類では外食分野の主力であるマヨネーズ1kgの売上が増加した。21年7月から進めているマヨネーズ類の価格改定効果も寄与した。

 総菜関連事業等は売上高が1.0%減の42億06百万円、利益が27.7%減の1億80百万円だった。外食需要の回復に伴って量販店等の中食向け売上が減少傾向となった。

 通期の連結業績・配当予想については、経済情勢、食用油をはじめとする原材料価格やエネルギーコストの動向など不透明感が強いため、引き続き未定としている。ただし外食向けやコンビニエンスストア向けの需要回復、販売価格改定効果、工場稼働率上昇・生産効率改善、全社的な経費削減への取り組みなどで収益回復基調だろう。

■株価は水準切り上げ

 株価はやや小動きだが徐々に水準を切り上げて戻り歩調だ。週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線がいずれも上向きに転じて上昇トレンドの形となった。出直りを期待したい。8月10日の終値は1482円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2245円07銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約244億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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