協立情報通信は23年3月期通期実質増益予想据え置き

(決算速報)
 協立情報通信<3670>(東証スタンダード)は8月10日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。前期の第1四半期と対象期間が異なるため増減率は非記載だが概ね順調のようだ。そして通期の実質増益予想を据え置いている。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。株価は底固めが完了して下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■23年3月期通期実質増益予想据え置き

 23年3月期第1四半期(4月~6月)の連結業績は売上高が11億55百万円、営業利益が33百万円、経常利益が37百万円、親会社株主帰属四半期純利益が27百万円だった。22年3月期(決算期変更で13ヶ月決算)第1四半期の対象期間は21年3月~5月のため増減率は非記載としている。なお21年3月~5月は売上高が13億72百万円、営業利益が1億03百万円、経常利益が1億05百万円、親会社株主帰属四半期純利益が70百万円だった。

 ソリューション事業は売上高が3億55百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が78百万円だった。21年3月~5月は売上高が5億64百万円、利益が1億46百万円だった。大型案件や新規投資に関してはコロナ禍、半導体不足、急激な円安などの不透明感を背景に鈍化の傾向が見られた。

 モバイル事業は売上高が31億48百万円で、利益が1億22百万円だった。21年3月~5月は売上高が8億07百万円、利益が83百万円だった。店舗事業は、オンライン窓口の利用推奨等による来店客数の減少に対応して、出張販売など店舗外の顧客への提案を強化した。法人サービス事業は、テレワーク関連モバイル機器案件の営業強化、店舗との連携強化などを推進した。

 通期の連結業績予想(12ヶ月決算、22年3月期が13ヶ月決算のため前期比増減率は非記載)は据え置いて、売上高が52億円、営業利益が2億20百万円、経常利益が2億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億40百万円としている。なお会計基準変更(進行基準採用、および従来ライセンス販売の一部に適応していた粗利純額計上をソリューション事業のサプライ品販売等の取引に対象拡大)で売上高の下押し要因となるが、利益への影響は軽微としている。

 13ヶ月決算の22年3月期実績は、売上高が53億44百万円、営業利益が1億85百万円、経常利益が1億92百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億15百万円だったため、23年3月期は実質増益予想となる。配当予想は22年3月期と同額の55円(期末一括)としている。

 中期経営計画では目標値に、25年3月期売上高65億円、営業利益4億20百万円、当期純利益2億80百万円、純資産23億円、EPS232円、BPS1909円を掲げている。DX関連や5G関連の本格化も背景として収益拡大を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は底固めが完了して下値を切り上げている。7月20日には動意づいて急伸する場面があった。出直りを期待したい。8月9日の終値は1521円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円94銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1517円20銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約18億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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