ディ・アイ・システムは22年9月期3Q累計進捗率高水準、通期予想は上振れの可能性

(決算速報)
 ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は8月12日の取引時間終了後に22年9月期第3四半期累計連結業績を発表した。収益認識会計基準適用のため増減率は非記載だが、システムインテグレーション事業が好調に推移し、通期予想に対する進捗率は高水準だった。第4四半期の構成比が高いことや、子会社化したウイーズ・システムズの新規連結効果も見込まれることなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年9月期3Q累計進捗率高水準、通期予想は上振れの可能性

 22年9月期第3四半期累計連結業績(収益認識会計基準適用のため前年比増減率は非記載、損益への影響軽微)は、売上高が39億97百万円、営業利益が2億07百万円、経常利益が2億06百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1億30百万円だった。主力のシステムインテグレーション事業が、顧客獲得や既存顧客との取引拡大、さらにエンジニア工数の効率的な稼働などで、概ね順調に推移した。

 なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が53百万円増加、売上原価が50百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ3百万円増加しているが、影響は軽微である。収益認識会計基準適用前の前年同期(売上高34億78百万円、営業利益2億26百万円、経常利益2億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益1億55百万円)との単純比較では、一部案件の第4四半期への先送り、人件費の増加、コロナ禍緩和に伴う出張費・会議費の増加、M&Aに伴う支払手数料の発生などの影響で減益だった。

 システムインテグレーション事業は、売上高が14.8%増の37億440百万円(業務用アプリケーション設計開発業務が0.5%増の15億46百万円、インフラシステム設計構築業務が16.0%増の15億64百万円、運用・保守が69.5%増の6億28百万円)で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が10.7%増の7億38百万円だった。教育サービス事業は売上高が17.5%増の2億57百万円(新卒向け研修サービスが22.3%増の2億38百万円、中堅向け研修サービスが20.1%減の19百万円)で、セグメント利益が26.6%増の98百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が12億07百万円で営業利益が33百万円、第2四半期は売上高が13億40百万円で営業利益が1億54百万円、第3四半期は売上高が14億50百万円で営業利益が20百万円だった。なお四半期変動の季節要因として、システムインテグレーション事業は顧客企業の決算月となる第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高くなる傾向がある。教育サービス事業は新入社員向け研修の受注で、第3四半期(4月~6月)の売上高が増加する傾向がある。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が54億24百万円、営業利益が2億41百万円、経常利益が2億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億61百万円としている。配当予想(5月13日付で期末1円50銭上方修正)は21年9月期比1円50銭増配の14円(期末一括)としている。

 収益認識会計基準適用前の21年9月期との単純比較で売上高は16.5%増収、営業利益は18.0%増益、経常利益は15.8%増益、親会社株主帰属当期純利益は8.4%増益で、実質的に増収増益予想となる。

 セグメント別の計画は、システムインテグレーション事業の売上高が16.6%増の51億38百万円で利益が16.0%増の9億94百万円、教育サービス事業の売上高が15.5%増の2億86百万円で利益が21.7%増の1億円としている。

 さらなる成長に向けて顧客企業のDX推進を支援するためのサービス提供を拡充させる方針だ。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第3四半期累計の進捗率は売上高が73.7%、営業利益が85.9%、経常利益が85.8%、親会社株主帰属当期純利益が80.7%と高水準だった。

 第4四半期の構成比が高いことや、22年7月に子会社化したウイーズ・システムズの新規連結効果も見込まれることなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。出直りを期待したい。8月12日の終値は729円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円82銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS347円71銭で算出)は約2.1倍、そして時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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