Jトラストは7日連騰のあと一服模様だがPER7倍前後に過ぎず、いぜん割安感

■業績予想を大幅に増額修正、東南アジア金融事業の躍進が目立つ

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は8月18日、750円(12円高)まで上げた後735円(3円安)前後で推移し、直近までの7日続伸、2018年以来の高値更新から8日ぶりに一服模様となっている。しかし、調査筋からは、12日に発表した第2四半期決算に基づき収益力の拡大を再認識させられたとの声がある。株価水準は今期予想1株利益105円24銭の7倍前後(PER7倍)に過ぎず、いぜん割安感の強い位置にあると見られている。

 12日の夕方に発表した第2四半期連結決算(IFRS基準、2022年1~6月・累計)では、営業利益が前年同期比55%増加し、純利益とともに第2四半期累計期間としての最高を更新した。Jトラスト銀行(インドネシア)が計画を前倒して黒字化したほか、韓国モンゴル金融事業も堅調に推移。NexusBank株式会社やエイチ・エス証券株式会社(2022年10月1日付けで「Jトラストグローバル証券株式会社」に商号変更予定)の株式を取得するなど、事業ポートフォリオの見直しも行い、資産合計は1兆0649億円と初めて1兆円を超えた。

 これを受け、12月通期の業績予想の大幅な増額修正も発表し、22年5月に開示した従来予想に対し、営業収益は10.8%上回る790億円の見込みに見直し、営業利益は約2.4倍の130億円の見込みに、親会社の所有者に帰属する当期利益は2.6倍の120億円の見込みに、各々増額した。増額修正後の予想1株利益は105円24銭。

 調査筋からは、NexusBank(株)式会社の子会社化などにともなう負ののれん益を除いても収益の拡大が目立つとの評価が出ている。

 国内金融事業では、モーゲージローンなどの保証事業で金融機関との提携が着実に増加しているほか、子会社であるRobotシステム株式会社では22年3月から不動産クラウドファンディングシステム「fundingtool」の提供を開始した。

 また、東南アジア金融事業では、8月に入り、Jトラスト銀行(インドネシア)が同国最大級の都市開発事業体『Kota Jababeka』との業務提携を発表し、住宅ローンの提供などを開始するほか、中旬には日立建機<6305>(東証プライム)グループのインドネシア法人(重機販売会社)との業務提携を発表し、建設機械にかかわる融資やローンのサービスを開始した。躍進が目立っている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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