【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フランスベッドHDは今期減額修正の売り一巡、切り返しのタイミング

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 介護・福祉関連のフランスベッドホールディングス<7840>(東1)の株価は、190円近辺でのモミ合いから10月24日発表の減額修正で10月27日の171円まで調整した。しかし10月27日は終値で前日比1円高の175円まで戻し、28日は前日比4円高の179円まで上伸する場面があった。減額修正による売りが一巡して切り返しのタイミングだろう。なお10月31日に第2四半期累計(4月~9月)の業績発表を予定している。

 メディカルサービス事業(介護・福祉関連用具のレンタル・販売、介護予防の通所介護施設「悠々いきいき倶楽部」運営など)、インテリア健康事業(家庭用高級ベッド、医療・介護用ベッド、リハビリ商品など)、その他事業(日用品雑貨販売など)を展開している。

 成長分野のシニア・シルバービジネスに経営資源をシフトして、医療・介護用電動リクライニングベッド・マットレス、高齢者向け「リハテック」ブランドの電動アシスト三輪自転車やハンドル型電動三輪車いす、座いす型リフトアップチェア、在宅・病院・福祉施設向け「見守りケアシステム」など、独自の新商品・新サービス投入を強化して介護・福祉用具レンタル市場でのシェア拡大戦略を推進している。さらに新規販売チャネル開拓で病院・施設向け取引も拡大する方針だ。

 10月24日に今期(15年3月期)第2四半期累計(4月~9月)と通期連結業績見通しの下方修正を発表した。第2四半期累計は前回予想(5月15日公表)に対して売上高を15億60百万円減額して前年同期比2.7%減の249億40百万円、営業利益を5億円減額して同32.3%減の8億円、経常利益を4億円減額して同31.4%減の8億円、純利益を2億80百万円減額して同40.9%減の3億70百万円とした。

 主力のメディカルサービス事業では、福祉用具貸与事業は堅調に推移しているが、病院・福祉施設に対する売上が新規物件の減少や消費増税の影響で苦戦しているようだ。またインテリア健康事業も消費増税の影響で低迷しているようだ。

 通期の見通しは前回予想(5月15日公表)に対して売上高を14億円減額して前期比2.3%減の536億円、営業利益を5億円減額して同21.4%減の22億円、経常利益を5億円減額して同21.0%減の22億円、純利益を4億円減額して同28.4%減の10億円とした。新製品の販売促進に注力するが、第2四半期累計の下振れを完全にカバーするに至らない見通しとしている。

 ただし営業利益と経常利益は第2四半期累計の減額分を反映させただけであり、売上高については下期を増額した形だ。消費増税の影響を受けた第2四半期累計がボトムとなり、下期以降は回復基調となりそうだ。

 なお配当予想は前回予想(5月15日公表)を据え置き、記念配当50銭を落として前期比50銭減配の年間4円50銭(第2四半期末2円25銭、期末2円25銭)としている。

 株価の動きを見ると、190円近辺でのモミ合いから全般地合い悪化の影響で反落し、10月24日発表の減額修正で10月27日の171円まで調整した。しかし10月27日は終値で前日比1円高の175円まで戻し、10月28日には前日比4円高の179円まで上伸する場面があった。減額修正による売りが一巡したようだ。

 10月28日の終値177円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円66銭で算出)は38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円50銭で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS165円85銭で算出)は1.1倍近辺である。日足チャートで見ると直近安値で下ヒゲを付けて目先的な底打ち感を強めている。減額修正の売りが一巡して切り返しのタイミングだろう。

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