【編集長の視点】マーケットエンタープライズは連日の最高値、初決算に期待を高めて直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)は、430円高の5420円と急続伸して始まり、前日の取引時間中につけた上場来高値5020円を連続更新している。同社株は、今年6月17日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、8月7日にはIPO後初決算となる前2015年6月期業績の発表を予定しており、業界トップの高実績・実力を誇ることから業績期待を高めて直近IPO株買いが増勢となっている。全般相場が、波乱様相を強めているなか、同社株が、連続最高値更新で上値のシコリがなく値動きの軽さに拍車が掛かることもサポート材料視されている。

■独自ビジネスモデルは中小企業基盤整備機構の理事長賞を受賞

同社株は、今年6月17日に公開価格1500円でIPOされ、IPO初日は買い気配値を切り上げたまま推移、2日目に4005円で初値をつけ4300円高値まで買い進まれ、6月25日には同安値3040円、7月9日には全般相場急落の波及で3155円安値と下値を探ったが、突っ込み場面から大きく戻した。

同社は、中古品の買い取り・販売事業(リユース事業)を展開しているが、同事業をIT(インターネット)とリアルとで融合、ITのwebシステム・業務システムを完全内製化するとともに、全国的な仕入・販売網を構築するなど独自のビジネスモデルを確立している。仕入サイドでは、ブランド品、家電製品、カメラなどの26ジャンルの買取メディアや電話により一般消費者や法人からの事前査定依頼を受けて調達して全国6都市に設置しているリユースセンターで一括管理、販売サイドでは「ヤオフク!」、「楽天市場」などのネット通販サイトで販売し、高い在庫回転率を実現している。このビジネスモデルは、今年2月に新事業の創出や市場開拓に挑戦したとして、独立行政法人・中小企業基盤整備機構の2015年の理事長賞を受賞した。

このため業績も、2006年7月の会社設立の初年度も黒字を確保し、以来、連続増収増益となり、目下集計中の前2015年6月期業績は、売り上げ41億円(前々期比39.4%増)、営業利益2億3500万円(同2.7倍)、経常利益2億2641万円(同2.6倍)、純利益1億4270万円(同24.3%増)と予想された。続く今2016年6月期業績も、リユースセンターを今後3年以内にさらに5拠点新設し、取扱商材も不動産、自動車、バイクなどまで拡大することなどから続伸が有力で、8月7日の初決算発表が、注目されている。

■IPOに際した資金吸収額は7億円超と小規模でなお買い需要が旺盛

株価は、7月3日に突っ込んだ2番底の3645円から生活共同組合連合会の子会社コープサービスが運営する「ライフなびくらしのサービス」との連携開始をテコにリバウンド幅を拡大している。IPOに際した資金吸収額は7億円超と小規模で、なお買い需要は旺盛であり、インバウンド(外国人観光客)消費を取り組む業態も評価し、上値挑戦に弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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