【編集長の視点】恵和は業績再上方修正、連続増配を手掛かりに割安修正期待の下値買い

銘柄

■ゴールデンクロス(GC)を示現

 恵和<4251>(東証プライム)は、25日移動平均線を前に下げ渋る動きをみせ、今年8月12日に発表した今2022年12月期の2回目の上方修正と期末配当の連続増配を手掛かりに割安修正期待の下値買いが交錯している。テクニカル的にも、その25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜くゴールデンクロス(GC)を示現しており、25日線をキープすれば上昇トレンド転換は変わらないとしてサポート材料視されている。

■ノートPC向け製品が回復し車載ディスプレイ製品の出荷も好調

 同社の今12月期業績は、今年5月に期初予想を上方修正したが、その修正業績をさらに再上方修正した。5月の修正値より売り上げを1億5100万円、営業利益を6億2000万円、経常利益を10億9600万円、純利益を8億6400万円それぞれ引き上げ、売り上げ232億5700万円(前期比28.3%増)、営業利益50億8900万円(同62.3%増)、経常利益58億2300万円(同67.9%増)、純利益45億1800万円(同78.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続大幅更新する。ノートPC・タブレット向け製品が回復し、車載ディスプレイ製品の出荷も好調に推移、直下型ミニLED液晶ディスプレイ向けの複合拡散板「オパスキ」などの利益率高い製品の販売が増加したことなどが寄与した。

 配当は、期初予想の普通配当の25円に特別配当25円を上乗せして年間50円とし、前期の年間25円(前々期実績13.5円)に対して連続大幅増配を予定している。

■25日線を下値支持線にPER8倍の修正でファイナンス価格も意識

 株価は、昨年11月に前期第3四半期の好決算を手掛かりにストップ高を交えて6740円高値まで買われたが、12月6日払い込みで実施した新株式発行(発行価格5567円)・株式売出しがボディーブローとなって今年3月安値3785円まで下げ、5月の1回目の業績上方修正で5610円までリバウンドしたが、中国上海市・武漢市などのロックダウン(都市封鎖)が行われたことによる中国関連株売りの影響で年初来安値3070円まで調整した。同安値からは売られ過ぎ修正に今期業績の再上方修正・増配が上乗せとなって4475円まで買い直され、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。

 足元では全般相場波乱とともに高値もみ合いが続いているが、25日線が下値支持線として意識され、PERも8.7倍と割安であり、まず直近高値4475円を奪回し、ファイナンス価格(5567円)も上値必達目標として意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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