【編集長の視点】電算システムは反落も2Q上ぶれ着地で通期純益の連続過去最高更新に再評価余地

編集長の視点

電算システム<3630>(東1)は、47円安の1752円と反落して始まっている。前日大引け後に今12月期第2四半期(2Q)累計決算を発表、減益転換して着地しており、6月30日につけた年初来高値1849円を目前としていただけに目先の利益を確定する売り物が先行している。

ただ2Q業績は、期初予想より売り上げ、利益が上ぶれ、連続増収率を伸ばし減益転換率を縮めており、12月通期純利益が、連続過去最高更新と予想されていることを見直し内需株買いが再燃する展開も想定される。今年6月に国内で初めてGoogleのChromeOSに連携したウェブ型デジタルサイネージ(電子黒板)の「ストラタスメディア」の販売を開始したことも、Google事業の拡大として業績押し上げ期待を高めよう。

■モバイル端末向けアプリ開発が順調に推移しクラウドサービス事業も続伸

2Q業績は、前年同期比7.6%増収、25.9%経常減益、23.4%純益減益となったが、売り上げは期初予想より1億4300万円、利益は5200万円~2000万円上ぶれた。前年同期は、WindowsSPのサポート終了に伴う買い替え需要や消費税増税前の駆け込み需要などで売り上げ、利益とも上方修正され増収増益率を伸ばしが、この反動減はあったものの、情報サービス事業では、モバイル端末向けアプリ開発などの案件が順調に推移し、GoogleAppsなどのクラウドサービスが売り上げを伸ばし、さらに前期に子会社化したガーデンネットワークも寄与、収納代行サービス事業でも、地方自治体を含めて新規取引先の獲得が順調で、既存取引先の通信販売業者やネットショップでの消費税増税後の反動も一巡したことが上ぶれ着地につながった。

12月期通期業績は、下半期にSI・ソフト開発案件の検収が多く、ギフト関連のBPO業務では、大口の新規顧客向けが秋口にスタートすることなどから期初予想を据え置き、売り上げ300億円(前期比13.2%増)、経常利益12億1000万円(同4.0%増)、純利益7億4500万円(同8.7%増)と続伸を見込み、純利益は、連続して過去最高を更新するとともに、配当も、年間23円(前期実績22円)に連続増配する。

■25日線で下値を確かめ高値奪回から株式分割の権利落ち埋めを目指す

株価は、年初来安値1454円から今12月期純利益の連続過去最高更新・増配予想で1635円高値まで200円高、今期1Q業績の減収減益転換で1565円と下ぶれたが、販売代理店契約をして「ストラタスメディア」の販売を開始したことで年初来高値1849円へと急伸、上昇転換した25日移動平均線で下値を確認しているところである。下値買いから高値を奪回し、2013年6月30日を基準日に実施した株式分割(1対2)の権利落ちを埋め、2000円大台へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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