【編集長の視点】UEXは業績再上方修正を手掛かりに連続増配を催促して高値肉薄

編集長の視点

■割安修正買いが再燃

 UEX<9888>(東証スタンダード)は、祝日前の2日に8円高の810円と7営業日ぶりに反発して引け、取引時間中には823円まで買われる場面があり、10月25日につけた年初来高値853円に肉薄した。同社株は、今年10月20日に今年8月に続いて今2023年3月期業績の2回目の上方修正を発表しており、その再上方修正した今期第2四半期(2022年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を11月8日に予定しており、その発表と同時に連結配当性向を30%程度としている配当政策に従って今期配当の連続増配があると催促して、割安修正買いが再燃した。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、サポート材料視される。

■メーカー値上げ追随の再販売価格見直しに円安相場も追い風

 同社の今3月期業績は、2Q累計業績、3月通期業績とも今年8月、10月と2回上方修正された。このうち3月通期業績は、レンジ予想で修正され8月の修正値より売り上げを10億円、営業利益を5億円~6億円、経常利益を5億円~7億円、純利益を4億円それぞれ引き上げ、売り上げ490億円~530億円(前期比7.6%増~16.4%増)、営業利益30億円~35億円(同41.3%増~64.9%増)、経常利益32億円~38億円(同42.0%増~68.7%増)、純利益20億円~23億円(同42.8%増~68.2%増)と見込み、期初のレンジ予想の下限では減益転換としていたものが大幅続伸する。ステンレス専門商社としてニッケルを中心とした原材料価格の上昇に対応してメーカー各社が大幅値上げを実施しており、再販売価格の見直しに注力し、為替相場も円安となったことなどが寄与した。

 今期配当については、期初に中間配当を6円(前年同期実績4円)としたものの期末配当は未定としていた。しかし今回の2回にわたる業績の上方修正から連結配当性向30%程度を目安とする同社の配当政策から、連続増配の可能性があり、東洋経済会社四季報最新号でも年間配当を40円~50円と増配含みと観測しており、11月8日予定の今期2Q累計決算発表時の配当動向が注目される。

■PBR3倍、PBR0.6倍の修正で年初来高値抜けから上値追いに弾み

 株価は、今年8月の今期業績の上方修正で703円とストップ高し、資源価格の高騰とともに832円まで買い進まれ、世界同時株安のなか695円まで調整したが、2回目の業績上方修正で年初来高値853円へ急伸し、ミニGCを示現した。足元では利益確定売りが交錯して800円台を固めていたが、今期純利益のレンジ予想の上限ではPERは3.8倍と超割安で、PBRも0.64倍と大きく割り負けている。年初来高値抜けから一段の上値追いが見込めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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