【注目銘柄】平河ヒューテは反落も6期ぶり最高純益更新の業績上方修正に見直し余地

 平河ヒューテック<5821>(東証プライム)は、前日10日に11円安の1115円と変わらずを挟み3営業日ぶり日反落して引けた。日経平均株価が、270円安と大幅続落しており、10月3日につけた年初来安値1011円から100円超幅底上げしている同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ同社は、今年11月2日に今2023年3月期業績を上方修正しており、純利益が、6期ぶりに過去最高を更新する見込みであり、これを見直して割安修正買いが再燃する展開も想定される。この上方修正の前提となる為替相場は、期初予想より円安・ドル高へ、銅価格も同じく価格下落方向としたが、足元の為替レートや銅価格がこの想定より円安・ドル高、銅価格安に進んでいることも、側面支援材料視されよう。

■半導体検査装置用ケーブルが続伸し円安、固定資産売却益も寄与

 同社の今2023年3月期業績は、期初予想より売り上げを25億円、営業利益を2億円、経常利益を6億円、純利益を3億円それぞれ引き上げ、売り上げ320億円(前期比15.1%増)、営業利益25億円(同27.8%増)、経常利益29億円(同42.9%増)、純利益23億円(同53.0%増)と見込んで連続増収率・増益率を伸ばし、純利益は、2017年3月期の過去最高(21億1500万円)を更新する。電線・加工品セグメントでは、半導体検査装置用ケーブルの売り上げが引き続き堅調に推移し、産業機器用ケーブルをはじめその他のケーブル全般の売り上げも伸び、車載用ケーブルは、自動車メーカーの減産の影響を受けたが円安・ドル高で売り上げ増となったことなどが寄与した。純利益は、第2四半期に計上した固定資産売却益5億6400万円が上乗せ要因となる。

 なお今期期初の想定では、想定為替レートを1ドル=125円、銅価格を1トン=9700ドルとしていたが、今回の上方修正とともに1ドル=140円と円安・ドル高方向、銅価格も8200ドルと価格下落方向に見直した。ただその後の為替レートは一時、1ドル=148円台まで円安・ドル高に進み、足元の銅価格も8100ドル台にあるだけに業績が、再上ぶれする展開も期待される。

■PER6倍、PBR0.4倍の割安修正をミニGCが強力にサポート

 株価は、今年2月の前期業績の上方修正で1213円、同3月の固定資産売却益計上で1224円、同8月の今期第1四半期の好決算発表に反応して1245円までそれぞれ買われるなど好材料出現のたびに高値反応してきた。8月高値のあとは、全般相場の波乱展開とともに年初来安値1011円へ突っ込んだが、業績上方修正に反応して上昇し、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。PERは6.8倍、PBRは0.46倍と割安であり、8月高値、年初来高値1248円のそれぞれの奪回で弾みをつけ、次の上値ターゲットとして2021年1月高値1489円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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