【注目銘柄】松風は続落も再上方修正業績を見直し国民皆歯科検診予算案の衆院通過が加わり押し目買い交錯

 松風<7979>(東証プライム)は、前日30日に13円安の2430円と続落して引けた。日経平均株価が、58円安と4営業日続落しフシ目の2万8000円台を割ったことから、11月28日に上場来高値2659円に肉薄する2514円の戻り高値をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただこの日の取引時間中の安値2415円は、25日移動平均線を前に下げ渋っており、今年10月25日に発表した今2023年3月期業績の2回目の上方修正、連続の過去最高更新予想を手掛かりに割安修正の押し目買いも交錯した。歯科検診により健康寿命を長寿命化する国民皆歯科検診の一部が盛り込まれた2022年度第二次補正予算案が、衆議院を通過したことも、関連株人気の再燃期待を高めている。

■CAD/COM製品が好調に推移し海外拡販戦略も奏功

 同社の今2023年3月期業績は、今年8月に上方修正したあと10月に再上方修正された。2回目の業績修正は、8月修正値より売り上げを1億3500万円、営業利益を4億4200万円、経常利益を6億2400万円、純利益を6億6900万円それぞれ引き上げ売り上げ312億9400万円(前期比11.2%増)、営業利益37億5000万円(同16.6%増)、経常利益43億2000万円(同18.1%増)、純利益33億8900万円(同33.1%増)と見込み、前期の過去最高業績を連続更新する。

 期初は、原材料の供給制限や成長投資の積極化による投資負担などから前期の過去最高から減益転換と慎重に予想したが、デンタル事業が、国内ではデジタル口腔撮影装置や歯科切削加工用セラミックなどのCAD/COM製品が好調に推移し、海外向けでも積極的な拡販戦略が効果を高め、為替が円安・ドル高で推移したことなどが要因となった。なお国民皆歯科検診は、口腔ケアにより歯周病などの生活習慣病などを予防して健康寿命の長寿命化を実現することを政策目標としており、今年度第二次補正予算案では後期高齢者を対象に国庫補助する予算項目が提出されている。

■PERは12倍となお市場平均を下回り最高値抜けから上値余地

 株価は、期初の今期業績の減益転換予想を嫌って年初来安値1429円へ売られ、国民皆歯科検診株人気に今年8月の今期業績の1回目の上方修正が加わって上値を追い、今期業績の2回目の上方修正で上場来高値2659円まで買い進まれる大幅高となった。ただこの再上方修正した今期第2四半期累計業績の発表とともに材料出尽くし感も強めて2254円安値まで調整、出直りを窺ってきた。PERは12.7倍と東証プライム市場全銘柄平均の13.6倍を下回ってなお割安であり、最高値抜けから上値追いに弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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