エイトレッドは23年3月期3Q累計増収増益、通期2桁増収増益予想据え置き

(決算速報)
 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は1月26日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。クラウドサービスの成長が牽引して増収、減価償却費、クラウドインフラコスト、広告宣伝費などの増加を吸収して増益だった。そして通期の2桁増収増益予想を据え置いている。ストック型収益となるクラウドサービスの成長を勘案すれば通期予想の達成は可能と考えられる。さらにDXの流れも背景として、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して軟調だったが、22年12月の昨年来安値をボトムとして切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計増収増益、通期2桁増収増益予想

 23年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比3.6%増の16億23百万円、営業利益が6.8%増の7億21百万円、経常利益が6.8%増の7億21百万円、四半期純利益が6.9%増の4億80百万円だった。クラウドサービスの成長が牽引して増収、減価償却費、クラウドインフラコスト、広告宣伝費などの増加を吸収して増益だった。

 製品別の売上高はパッケージ型X-pointが15.6%減の2億43百万円、大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksが1.1%増の7億42百万円、クラウドサービスX-point Cloudが17.3%増の6億37百万円だった。パッケージ型X-pointはクラウドサービスへの移行に伴って27年3月に製品サポート終了予定のため22年3月に新規ライセンス販売を終了している。大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksは、半導体不足の影響で導入が大幅に遅延したため小幅増収にとどまった。クラウドサービスX-point Cloudはワークフロー需要の拡大も背景として新規導入企業数が順調に増加した。なおストック売上高は第1四半期が前年同期比11.5%増の4億16百万円、第2四半期が11.2%増の4億26百万円、第3四半期が10.7%増の4億44百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億31百万円で営業利益が2億05百万円、第2四半期は売上高が5億25百万円で営業利益が2億62百万円、第3四半期は売上高が5億67百万円で営業利益が2億54百万円だった。

 通期予想は据え置いて売上高が22年3月期比10.7%増の23億40百万円、営業利益が10.7%増の10億05百万円、経常利益が10.6%増の10億05百万円、当期純利益が14.5%増の6億92百万円としている。配当予想は22年3月期比2円増配の24円(第2四半期末12円、期末12円)としている。連続増配予想である。

 売上面では、X-pointは新規ライセンス販売終了のため減少するが、AgileWorksとX-point Cloudの導入企業数が順調に増加し、全体で2桁増収見込みである。製品別売上高の計画はX-pointが18.0%減の3億18百万円、AgileWorksが15.4%増の11億37百万円、X-point Cloudが19.6%増の8億84百万円としている。X-pointのライセンス販売終了に伴い、X-pointからのアップセル・クラウドシフト戦略を推進する。

 利益面は人件費、減価償却費、クラウドインフラコスト、広告宣伝費などの増加を見込むが、増収効果で吸収して2桁増益予想としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が69.4%、営業利益が71.7%、経常利益が71.8%、当期純利益が69.4%となる。やや低水準の形だが、ストック型収益ロなるクラウドサービスの成長を勘案すれば通期予想の達成は可能と考えられる。さらにDXの流れも背景として、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して軟調だったが、22年12月の昨年来安値をボトムとして切り返しの動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。1月26日の終値は1480円、今期予想PER(会社予想のEPS92円53銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS471円66銭で算出)は約3.1倍、そして時価総額は約111億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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