ソフトクリエイトホールディングスは23年3月期3Q累計増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)は2月1日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。増収増益と順調だった。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも拡大し、人件費や広告宣伝費の増加を吸収した。そして通期の増収増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率が高水準であり、クラウドサービスの拡大などで第4四半期も利益の積み上げが予想される。通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお基準日23年3月31日(効力発生日23年4月1日)で1株を2株に分割する。株価は上値を切り下げる形で軟調だったが、22年12月の昨年来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計増収増益と順調、通期上振れの可能性

 2月1日に発表した23年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比14.0%増の178億60百万円、営業利益が7.5%増の33億81百万円、経常利益が9.8%増の35億68百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が11.8%増の21億12百万円だった。

 積極的な先行投資で人件費や広告費が増加したが、ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大して増収増益と順調だった。経常利益(前年同期比3.2億円増益)の要因分析は、売上総利益増加で+7.5億円、人件費増加で▲3.6億円、広告費増加で▲0.9億円、研修費増加で▲0.2億円、その他経費減少で+0.4億円だったとしている。

 セグメント別に見ると、ECソリューション事業は売上高(外部顧客への売上高)が14.7%増の99億13百万円で利益(全社費用等調整前経常利益)が9.7%増の27億51百万円だった。ECサイト構築パッケージ「ecbeing」やECクラウドサービス「メルカート」などの売上が拡大した。ITソリューション事業は売上高が13.2%増の79億47百万円で利益が13.1%増の17億58百万円だった。セキュリティ・インフラ構築関連や、子会社エイトレッド<3969>のワークフローサービス「X-pointクラウド」などの売上が拡大した。

 売上高の内訳は、ECソリューション事業ではECサイト構築(ecbeing)が69億円、デジタルマーケティングが21億円、ECクラウドサービスが9億円、ITソリューション事業ではセキュリティ・インフラ構築が39億円、ITクラウドサービスが14億円、ITパッケージが13億円、IT機器販売が13億円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が54億96百万円で経常利益が8億83百万円、第2四半期は売上高が60億58百万円で経常利益が12億55百万円、第3四半期は売上高が63億06百万円で経常利益が14億30百万円だった。ストック売上の拡大により、四半期別でも収益拡大基調となっている。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比10.5%増の234億60百万円、営業利益が2.7%増の41億40百万円、経常利益が2.5%増の42億65百万円、親会社株主帰属当期純利益が4.5%増の24億70百万円としている。配当予想(22年10月21日付で第2四半期末5円、期末5円、合計10円上方修正)は22年3月期比10円増配の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。3期連続増配となる。

 売上面は需要が高水準に推移して2桁増収予想としている。利益面は、製品機能強化のための開発費の増加、知名度向上のための広告宣伝費の増加、積極的な人材採用に伴う採用費の増加など先行投資を考慮して小幅増益にとどまる予想としている。ただし保守的な印象が強い。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が76.1%、営業利益が81.7%、経常利益が83.7%、親会社株主帰属当期純利益が85.5%と高水準だった。さらにクラウドサービスの拡大などで第4四半期も利益の積み上げが予想される。通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価は上値を切り下げる形で軟調だったが、22年12月の昨年来安値圏から切り返して反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。2月1日の終値は3250円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS194円62銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の50円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1036円93銭で算出)は約3.1倍、時価総額は約448億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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