【株式市場特集】業績上方修正のバリュー株に注目、最右翼は電炉株・大手商社株

 今週の当特集は、業績上方修正のバリュー株に注目することにした。なかでも業績上方修正が相次いだセグメント株が、クラスターとして浮上しそうだ。最右翼は電炉株で、2月2日に業績の再上方修正と再増配を発表した合同製鉄<5410>(東証プライム)は、ストップ高して2年ぶりに上場来高値を更新しており、株価イメージも一変している。同じように業績の再上方修正に増配、自己株式取得なども加わった大手商社株や同じく業績リバウンドを示した円高関連の電力・ガス株も「木の葉」展開を強めよう。

■電炉株には2回目、3回目の業績上方修正が相次ぎ配当も増配、再増配

 今年1月末から2月月初に掛けて業績を上方修正した電炉株をコード番号順にあげると合同製鉄以下、共英製鋼<5440>(東証プライム)、大和工業<5444>(東証プライム)、東京鉄鋼<5445>(東証プライム)、大阪製鉄<5449>(東証スタンダード)、中部鋼鈑<5461>(東証プライム)、山陽特殊製鋼<5481>(東証プライム)と続く。鉄スクラップ価格と電気料金の上昇を価格転嫁する販売価格の改善が進み、鉄スクラップ価格の調整も想定より長引いているのが要因で、各社の業績上方修正は今回が2回目、3回目となっており、配当も増配、再増配を予定している。

 PERは、大阪製鉄の18倍を除き4倍~9倍と1ケタ台の評価にとどまり、PBRはすべて0.3倍~0.4倍、配当利回りも大和工業の6%などバリュー株の資格十分である。また昨年12月に日本製鉄<5401>(東証プライム)が、系列の鉄鋼専門商社の日鉄物産<9810>(監理)を株式公開買い付け(TOB)を実施した際には日本製鉄のグループ再編思惑で動意付いた経緯もあり、株価材料としてなお潜在している可能性もある。

■大手商社株は再上方修正で過去最高純益を更新し再増配、自己株式取得

 「木の葉」銘柄の大手商社株は、丸紅<8002>(東証プライム)、三井物産<8031>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)の3社が該当する。いずれも今期純利益の2回目の上方修正と2回目の増配を発表し、これに三井物産は自己株式取得枠の拡大、三菱商事は今期2回目の自己株式取得を合わせて発表している。3社とも再上方修正で純利益は連続して過去最高を更新してPERは5倍、6倍と割安であり、株式を買い増した大株主のウオーレン・バフェットも大歓迎のはずだ。準大手の蝶理<8014>(東証プライム)も、業績上方修正、増配でバリュー株条件をクリアしている。

 電気株では、J-POWER<9513>(東証プライム)が、2回目の業績上方修正で過去最高純益の更新幅を伸ばし、中部電力<9502>(東証プライム)の上方修正は、赤字予想からの黒字転換、関西電力<9503>(東証プライム)と中国電力<9504>(東証プライム)は赤字幅縮小の上方修正だが、今後の為替レートや燃料価格の動向など要注目となる。ガス株では、東京ガス<9531>(東証プライム)が、2回目の上方修正で7期ぶりに過去最高純利益を更新し、東邦ガス<9533>(東証プライム)も、上方修正で連続増益率を伸ばす。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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