「ポスト京都議定書」を先取りした企業の取り組みに注目

温暖化ガス削減を義務づけた京都議定書の実行期間が4月から始まった。2008年から2012年度の平均で1990年度比6%減が求められる日本。欧州連合(EU)が2005年に導入した排出権取引では過去の排出実績で各企業の排出枠を決める方式が採用された。ただこの方式は個別企業の足元の事情が考慮されず、日本の産業界では導入に反対が根強い。環境省はこのため産業界の削減努力を排出枠に反映できる方式や、排出権を競争入札で配分する方式を検討する。7月の洞爺湖サミットが開かれる前の6月までに結論を出すとしていることから、13年度以降の「ポスト京都議定書」を先取りした排出量取引など企業の取り組みが注目される。

排出権ビジネスの推進役としては、三菱商事、住友商事、豊田通商、コスモ石油、新日本石油精製、みずほ証券、東京産業、東京ガス、大阪ガス、環境総合テクノス等が出資・設立した「ナットソース・ジャパン」が、温室効果ガス排出量取引仲介・アドバイザリー事業に参画している。
温室効果ガスの削減余地が小さいとされる我国では、他国で余った排出枠を購入する排出権取引が重要と位置づけられ、企業では業界ごとに温室効果ガスの削減目標を掲げるなど、企業の社会的責任(CSR)を重視する観点から排出権取引のニーズの高まることが予想される。
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