☆株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします

失業者の増加について


■失業者の増加は問題だけど、会社に対する意識が昔と変わっている

妻景気が急速に悪くなっているようですね。企業が来年の新卒採用者の内定を取り消したり、臨時社員の解雇を進めているようです。アメリカでも雇用者が11月は53万人も減ったそうです。34年ぶりの数字だそうですよ。

夫そうなんだ。厳しい数字だね。まず、日本だけど、大切な点だけど、昔と違っていると思う。僕が勤めている頃の昔なら、景気が悪くなれば、「社長はじめ、上から下まで、みんなで頑張ろう」だったけど、今は、さっぱりというか、あっけらかんとしている。会社が悪いのは経営者の責任、われわれには関係ないという。ここに、昔との大きな違いがある。人員削減という、「現象」だけみていると、確かに大変なことだけど、大きな社会変化の中で位置づけてみれば、企業側にも働く側にも意識の変化がある。ここに手を加えないと、会社が悪い、いや、働く人が悪い、という責任転嫁になってします。

妻どうして。雇用するのは企業ですから、やはり企業側の責任でしょ。

夫そうとばかりは言えないよ。今も言ったように、この問題には、「構造的な問題」が大きいと思う。僕の世代は、上から下まで一致団結して、不況を乗り切ろう、という、「終身雇用制度」だったことがある。みんなで頑張れば定年まで働けるという。

妻今は、誰だって、会社に縛られるのは嫌ですよ。

夫結局、そこなんだ。働く側の意識が昔とは違っている。極端な話、景気が悪い時は、黙って会社に勤めるけど、景気が回復すれば、条件の良いところを見つけて、さっさと去って行く。これでは、会社は大変だ。ボランテイアの会社になってしまう。

妻たしかに、それはあるわね。

夫昔の話ばかりになるけど、昔は、その会社に勤めたら定年まで、あるいは定年後も先輩として、時々は会社に顔をだして、一緒に働いた仲間と語り合ったものだ。

妻昔、昔、と言うのは、お年だから仕方ないわよ。どんどん、言いなさいよ。

夫僕が、定年間近の頃には、社員旅行を止めることが決まった。会社が従業員を縛るのはよくない、個人ひとりひとりの生き方を大切にしよという要求が若い世代の意見だった。もちろん、昔みたいに、先輩からマージャンをやりながら、仕事を教わることもなくなった。

■「社内旅行は嫌」「組合加入も嫌」、縛られることを嫌がり、「少しでも有利なところを求める」時代

妻当然ですよ。会社は丁稚奉公するところはありません。会社での仕事を通して、ひとりひとりが自己実現をするのですから。

夫それは分かる。それなら、会社側だって、昔のまま、というわけにはいかないんだ。会社側が、みなさんと運命共同体だと言って、終身雇用をしようと思っても、働く側が嫌がっている。昔は、組合にも入ったものだが、今は組合費を払うのは嫌だと言うことだ。

妻それでいいのではないんですか。人は自由なんですから。

夫つまり、僕の言いたいのは、働く側も企業側も「契約」という時代になっていると思うんだ。今、人員削減をしているのは、正社員ではない。正社員なら、正社員としての契約をしている。非正社員は非社員として雇用契約をしているはずだ。それに基づいて動いていると思うよ。

妻非社員だから切っていい、ということではないと思うけど。

夫さっきも言ったけど、社会が豊かになって、個人ひとりひとりの生き方が自由になっている。ここが根っこだと思う。正社員なんかになって、縛られるのは嫌だと、多くの人は言ってきたわけだ。もちろん、正社員になりたくてもなれなかった人はいると思う。不景気の時は正社員にせよ、景気が良くなったら他へ行きます、というのでは企業側も大変だよ。

妻どうするの。

■アメリカ流競争社会か、失業のない社会主義か、どっいがいいだろう

夫社会が豊かになると、「集団」より、「個人中心」ということは必ず出てくる。家庭だってそうだよ。お前も僕も、小さい頃は、一人づつの部屋なんて与えられなかった。今は当たり前になっている。特に、企業はグローバル化の波にさらされて競争している。昔は国内で競争していればよかったので、「なあなあ」が通用した。今は甘いことは言っておれない。その点、個人には、まだ競争という意識が薄いと思うよ。少々、きつい言い方だけど、権利は主張するけど、自己責任という部分は横へ置いているところがある。

妻若い人は、そうでもないわよ。それは、あなたの世代でしょ。甘えなんて、ないと思うわ。わたしたちの世代と今は考え方の違うのは理解できるわ。結局、どうすればいいの。

夫話は大きくなるけど、根本のところで、ひとつは、今のアメリカ型でこのまま行くか、もうひとうは社会主義国にして失業のない国にするか。しかし、社会主義国にすると、競争のない社会になって、結局は「休まず・遅れず・働かず」となって、汚職が蔓延して国際競争力に負けてしまう。既に、旧東側諸国が行き詰まった、見本がある。といって、アメリカ型の競争こそ最高と言う主義では、勝ち負けの世界だから、負けると、今度の雇用者数53万人減少ということになってしまう。基本のところで、日本は、どちらを選択して行くか。これからの、日本を背負って行く世代の一番の命題だと思う。

■日本流の「社会主義的資本主義」もある、ひとり一人が職人化して、「職人国家・日本」の道もある

妻「日本流」もあるのではないですか。

夫そうだね。日本は、「社会主義的資本主義」の国といわれ、すべてに「中庸」を善しとしているからね。その道はあるかもしれない。

妻競争は維持しながら、ルールとか、セーフティネットも充実させる。民間の人も、お役人も両方で頑張る国。小さな政府だなんて言わないで、もっと政府は大きくすればいいのよ。政府と民間は、半々ていどが日本らしくていいのではありませんか。道路を作り過ぎたなんて文句を言わないで、むしろ立派な道路を活用できるように地方を活性化するよう、政府と民間で知恵を出せばいいのに。全国どこへ行っても、NHKが聞けるでしょ。あれって、日本の均一性の文化だと思うの。

夫この話はキリがないけど、年配者としての僕としては、「会社へ人を従属させる」時代ではないことは認識している。そのためには、個人は職業に対し、一生を通して、何をやることが生きがいか。国は、ここの教育をしっかりやるべきだと思う。『好きこそ、ものの上手なり』、という言葉がある。それぞれの人が、好きなことに打ち込んで、立派な作品作りをする。また、昔のことになるけど、昔は、戦争に負けて好きなことを選べる時代ではなかった。今は、選ぶことができる。野菜作りが好きなら、それも大いに結構。そのかわり、天下一品の野菜を作る。ひとり、ひとりが「職人」のようになる。それらが集まって、日本が「職人国家」となる、これが僕の日本に対する夢なんだ。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2008.12.06 |特集