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日経平均は1万円乗せなるか?前半のフシ6月相場を考える=妻と夫の株ロマン


■6月は日経平均の1万円台乗せはほぼ確実視されるが、当面の高値となる

妻今年も6月、早いですね。年の半分のフシ目です。今年の大発会、1月5日の日経平均株価はザラバベースで8991円で始まって、7日には9325円までつけて滑り出し好調でした。しかし、年初が高値となって下げに転じ、3月10日には7021円まで下げました。7000円を割って、そのまま下に行くかと心配されましたが、反発に転じて、週末(5月29日)は9522円と年初来の高値更新です。こうしてみると、今年前半は「V字型」の相場だったと思います。あなたの印象はいかがですか。

夫まさしく、典型的なV字型の相場だったね。もうひとつ印象を加えるとすれば、久々に「政治主導」の相場だったとも思う。100年に一度と言われる大不況でマーケットは弱気一色となって急落した。3月危機説に続いて5月危機説が流れ、日経平均株価は5000円まで下げるという見方が強まった。実際、3月には7000円割れ寸前まで下げた。ここで政治が登場した。特に、100年に1度の大不況を麻生内閣は見逃さなかった。支持率が低下し政権維持が危なかった内閣には巻き返す絶好のチャンスと捉えた。定額給付金から始まって、週末の高速道路料金の引き下げ、エコカー、エコ電気製品買い替えの補助金。週末には大型の補正予算も成立させた。しかも、日本だけでなく、世界が一斉に景気テコ入れを打ち出したから、相場への効果は大きかった。政治が久々に前面に登場した相場だったと思う。

妻下げると思って、空売りしていた人が、あわてて買い戻したことも日経平均株価の急反発につながったと思います。こうした5月末までの動きから「6月相場」をどのように見ますか。

夫思い切って言うなら、前半1〜6月相場での高値になると思っているよ。


■日経平均1万円回復で景気対策総仕上げで選挙迎える

妻6月が高値ですか。空売りの買戻しが一巡するためですか。

夫それもある。他にも、いくつか理由があるけど、最大の理由は、現政権が日経平均株価の1万円回復で、これから予想される選挙に望みたい気持がある。これまで、打ってきた景気対策効果を日経平均株価の1万円大台乗せで印象づけしたい気持ちは強いと思う。

妻なるほどね。1万円台に乗せれば新聞の大きい見出しにもなります。株式投資から遠のいていた人にも印象づけになりますね。「麻生内閣は意外に頑張っているんだ」ということになるでしょうね。

夫ここまで景気対策を打ってきた政権にとっては、日経平均株価の1万円乗せは必要なことだと思う。当然、こうした動きを見ている外国投資家は売りを手控え、むしろ買いスタンスを強めると思う。国内の公的資金も買い姿勢を高めると思われる。

妻材料面ではいかがですか。

夫業績面では、3月期決算の発表がほぼ終わった。10年3月期は本業の儲けを示す営業利益は引き続き良くない。しかし、エコカー関連の分野では操業率の回復もみられる。液晶関連でも明るさが伝えられている。また、09年3月期は世界的な金融不安で保有有価証券の評価損が発生したが10年3月期はなくなる。リストラに関連した特損もなくなる。営業利益では、まだ厳しいが、純益では回復に転じる。このため、日経平均株価ベースの予想1株利益は4月以降は「赤字」状態だったが、週末(29日)には235円となっている。

■7月以降はしばらく景気・企業業績の空白期入り

妻純益がひと足早く回復して、次に、営業利益の回復を待つということですね。いつ頃ですか。

夫当面は、4−6月の第1四半期が発表される7月中旬が注目される。ただ、この時点では、一部の企業には明るさも予想されるが、全体的に大きく期待するのは無理だと思う。経営者側は、この時点では、簡単には上方修正はして来ないと思う。期待できるとすれば、9月中間期の発表される10月後半以降だと思う。

妻6月はヤマ場の印象ですね。政治面からの景気対策は一応、仕上げの時期です。企業業績もしばらくは空白期を迎えるということですね。

夫もうひとつ強調しておきたいことがあるんだ。

妻なんですか。

夫例年、日経平均株価は「3月安値」→「6月高値」のパターンが目立つことがある。今年もかなりの確率で6月が高値となる可能性は高いと思う。日経平均株価は1万円乗せはあると思うけど、今年前半から秋頃までの高値になると思われる。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.05.30 |特集