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選挙特需で景気回復?景気の行方とその正体を探る:妻と夫の株ロマン
■「景気」って、いったい何?
今の相場には、「景気」の行方がいちばん大切なときなんだ。
景気は上向いているのでしょ。政府も、そのように発表していますわ。
回復はしている。しかし、大事なことは、「水準」というか、「位置」の問題を考えなくてはいけない。水準は依然、低い。たとえば、自動車の工場稼働率は、今年初め頃は35%程度まで低下していたが、現在では50〜55%程度まで回復していると伝えられている。悪い話ではない。しかし、それで、従業員を増やして工場の増産を行うか、といえば、そう簡単ではない。今の水準は、最悪時期からみれば回復しているが、皆んなそろってハッピーといえる水準ではないんだ。
だから失業率は高いままですか。有効求人倍率も0.44倍と低いのですね。有効求人倍率は、仮に、職を求める人が10人いたら、採用しようという会社は4社しかないという数字ですね。
そう。6割の人は職に就けない。厳しい状況が続いている。政府の「景気上向き宣言」は結構な話だが、これで、めでたし、ということにはならない。ここから景気が一段上に行くか、それとも、息切れして、もう一度、下を見に行くか、大切な場面にあると思う。
ごめんなさいね。ちょっと、話をそらせてもいいですか。
なんだい。
前々から思っていたのですが、「景気」って、いったい何ですか。分かっているようで分からないのです。「景」というのは、「景色の景」でしょ。ということは、景気の良いことは、「経済活動の景色」が良いということですか。
そうだね。景気がいいと、みんな揃って、花見にでも出かけようかという気持ちだね。桜の咲いている景色はすばらしい。ひとつ質問だけど、景気がいいという場合、「儲かること」だと思う?
当然でしょ。儲からないと、景気が良いとは言わないでしょう。商売は儲けるために頑張るのですわ。
少しだけ違うと思う。儲けることは大切だけど、商売は、最初に利益があるわけではないんだ。「製品・商品」「サービス」を提供した結果として利益がある。いくら、良い製品でも売れないと、宝の持ち腐れで、利益を生まない。
■景気が良いとは『物とサービスが動く』こと
理屈はそうだけど。おっしゃりたいことは、景気が良いとは、儲かるということではなく、売上げが増えるということですか。だけど、利益のないもの、儲からないのを売っても意味はないのでは。
いや、それは違うと思う。儲かるか儲からないは、企業の持っている競争力や工夫によるものだと思う。競争力があれば高く売れる。競争が激しくて、高く売れないなら、コストを下げて安く作る工夫をしなくてはいけない。
じゃあ、「景気が良いとは、物が売れること」、「物・サービスが動くこと」、ということになりますね。
そうだね。「景気が悪いことは、物・サービスが動かないこと」と言い換えることができる。なぜ、不景気になると、物・サービスが動かなくなると思う。
理由はいろいろあると思いますわ。わたしたち年配者で言えば、年金が増えるわけではありません。むしろ減る心配があります。このことは大きいことと思います。昔は、郵便局の定額貯金に7,8年預けていたら2倍になりました。今はまったく利息収入はありません。収入が増えないのですから、物は買えません。若い人はもっと大変です。失業したら収入はありません。職に就いている人だって、昔のようにお給料は上がりませんし、いつ職を失うか分かりません。このような状況では節約優先で、物は買えませんわ。
そうだと思う。しかも、昔のように物が不足している時代ではない。贅沢さえしなければ、やっていける。たとえば、ジーンズのズボン1枚あれば十分生活できる。もちろん、いつまでも、物が動かないと経済が成り立っていかない。そこで、政府が物の動く政策を採っている。
■根本的には少子高齢化と社会資本の充足で物は動き難い体質
そうですね。分かりやすいところでは、休日の高速道路料金の割引で、車が動き、人が動くようになっています。それで、景気が少し良くなった、といわれています。まさに、物・サービスが動いたため景気が少し上向いています。あなたが、最初に言った、「今は大事な場面」、というのは、「これから、物の動きがどうなるか」ということですね。
そうなんだ。一番悪い3月頃からみれば、物・サービスは動いている。しかし、これから先、さらに期待できるかというと心配だ。これから先、人々の収入が増えるだろうか、という心配がある。増えそうにない。しかも、少子高齢化で、構造的にも物が動き難い状況となっている、このため、いくら、政府が太鼓をたたいても、先行きが不安だから、われわれは踊れないんだ。結局、頼みは、国内ではなく、「海外での物の動き」が活発になるかどうか、輸出頼みになってしまう。
ひとつあるわ。GDPの5割は個人消費でしょ。預貯金の金利を上げて、利息を増やしてもらえると、いくらか変わってくると思います。
無理だと思うよ。預貯金の大半は年配者が保有している。年配者はこの10年、年金、医療費、低金利など、厳しい目に遭って来たから、先行きのことを考えれば、少しくらい利息が増えたくらいでは使わないだろうね。
■今年の夏は「バカンス」と「選挙特需」で少しばかりは期待できる
国内は八方塞がりですね。これ以上、道路や橋などを作ると国の借金が膨大となって、ツケが回ってきます。消費税を含め、すごい税金が予想されます。恐ろしい話ですけど、以前、言われた「預金封鎖」もあるのでは。
それはともかくとして、相場が上に行くには、話してきた景気、つまり、「物・サービス」が動くかどうかにかかっている。短期間という限定なら、夏のバカンスで人、物は少し動くだろう。東京都議選、衆議院選挙と選挙が続くから選挙特需も見込めるだろう。この夏場だけということなら、「人と物の動き」はあるだろう。日経平均はも少し上があるかもしれない。1万800円くらいはあってもいい。しかし、上値での値もちはそれほどよくないと思われる。
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