どうなる自民党！老舗企業と酷似？：妻と夫の株ロマン

■優しさを失った自民党、強さを発揮できるか民主党

　いよいよ夏本番です。今年の夏は選挙でにぎやかになります。自民党はどうなりますか。

　この前の都議選の結果でみると、自民党離れが起きている、と言わざるを得ないね。今の自民党を企業に置き換えると、老舗企業に似ていると思っているよ。

　どういうことですか。

　一昨年くらいから、名門・老舗企業に、不祥事が続いたね。あれと似ているように思われて仕方ないんだ。

　政党としての老舗は自民党ですわ。今の自民党が不祥事を起こしているということですか。

　汚職などが後を絶たないことはあるね。それ以上に、党略が優先して国民との距離が、ぽっかりと開いていると思うんだ。もっとも、自民党、老舗企業に限らず、世の中の古いもの全てに共通する宿命かもしれないけど。

　そうね。ある老舗のお菓子メーカーの品質問題では、社長より現場の工場の人間が偉い。長年、このやり方で作って、ノレンを守ってきたのはわれわれ現場である、本社は口を挟むな、というようなことがあったようですね。関西の超老舗料亭でも、食べ残し料理を次に回すことがありました。ノレンにあぐらをくんでいたということですね。

　そうだね。『老舗』だから、少々のことは、許されると、錯覚があったように思われる。その結果、消費者は離れていった。自民党も長い間、独走してきたから、老舗企業が消費者との間に開きができたように、自民党も国民との間にギャップができたのだと思う。たとえば、『後期高齢者』といった、年配者に対する思いやりのない言葉を使うことにも如実に現れていると思うんだ。

■『男は強くなくては生きていけない。しかし、優しくなくては生きる資格がない』

　たしかに。テレビの報道番組で、うまいこと言っていたわ。今の自民党は、野球で言えば、ベンチの中で選手同士が殴りあいをしているようなものだと。観客はそっちのけで勢力争い、ということのようです。

　レイモンド・チャンドラーの有名な言葉に、『男は強くなくては生きていけない。しかし、優しくなくては生きる資格がない』とある。そのまま政党に置き換えれば、最近の自民党には優しさが欠けている、ということだろうね。国民が離れるのは当然だろう。

　民主党が優しいということでしょうか。

　それは、分からない。福祉に力を入れます、と言っていることを聞けば、今の自民党よりは優しそうに響く。しかし、優しさ、だけではいけない。当然、強くなくては、日本が国際社会の中で生きて行くことはできない。その強さが民主等にあるかどうかは、まったくの未知数だろうね。この点、国民もよく承知しておかなくてはいけない。企業でいえば、腕のよい現場職人をいきなり社長に据えるようなものかもしれない。社長職というのは営業から社会に置ける存在感まで非常に幅広い。なかでも、社長には資金繰り能力が求められる。この点を民主党ができるかどうか。優しいだけでは国家、企業の運営はできない。「皆んな仲良く、優しく」は理想だけど、「強さ」のない国になったらこれも悲劇だよ。競争力が低下して、外貨が不足、円安が進んでも品質が落ちているから日本品が売れない。インフレとなって、暮らしは厳しくなる。優しさの反対側にはこうしたことがあることを頭に入れておかなくてはいけない。

　それでも、「一度は民主党にやらせてみたら」という声は多いわね。それだけ、自民党に優しさが欠けて、思い上がりが強かったということでしょうが。優しさが欠け、苦しくなった老舗企業の中には店仕舞いしたところ、吸収合併されたところもあります。自民党がどういう道を辿るか歴史の中の１ページですね。

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