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4〜6月期決算発表一巡で相場はどうなる:妻と夫の株ロマン


■個人投資家には遠いものになりつつあるアナリスト予想

妻 4〜6月期決算の発表は、ほとんど終わりましたね。次は、アナリストの皆さんの予想ということですか。

夫 そういうことになるけど、しかし、「正式発表」はあくまで会社側が発表するものなんだ。アナリストの予想はあくまで予想なんだ。それに、アナリスト予想は個人投資家には、だんだんと遠いものになりつつある気がする。

妻 どうして、アナリトの皆さんの予想も大切だと思います。違うのですか。

夫 アナリストが所属しているのは証券系が中心ということもある。一応、別会社にはなっているけど、そこには営業的な臭いはぬぐえないことがある。もしもの話だけど、レーティングを引き上げる前に買っておいて、そのあとでマスコミ等に、その引き上げ情報を流して、株価が上がれば、その証券会社の取引顧客は儲けることはできる。もちろん、そういうことはないと思うけど。

妻 その証券会社で取引すれば情報はもらえるのではありませんか。

夫 アナリストを抱えている証券会社すべてと口座を開かなくてはいけない。大変だよ。それに、昔から言われていたことだけど、伝票1枚当りの注文ということもある。

妻 どういうことですか。

夫 商売というものはなんでもそうだと思うけど、小口より大口が大事にされやすい。注文株数の少ない小口の個人より、伝票1枚で数100万株の取引をしてくれる外国投資家、機関投資家を相手とするのが、はるかに効率がいい。情報も当然、そうした大口投資家に優先されると思うのが自然だ。

■個人がプロに勝てるのは時間である

妻 それでは、個人は中長期投資をしなくなって、短期投資に走ってしまうのでありませんか。

夫 そんなことはない。個人投資家が大口投資家より勝っているところを認識して投資すればいい。小口ということは、立派な武器なんだ。小回りを利かせて、小さくても儲けを積み上げる投資戦法は立派なやり方だと思う。その一方で、気にいった銘柄をしっかりと研究してファンになって持ち続ければいい。『個人がプロに勝てるのは時間である』という教えもある。

妻 時間は誰にも同じはずよ。

夫 運用ということでは違うと思う。普通は、法人の大口投資家のことを、『機関』投資家と言うけど、僕は、『期間』投資家だと思っている。1年とか、一定期間に成績を挙げなくてはいけない。この点、個人には時間の制約がない。極端なことを言えば、儲かるまで売らなければいい。このことは、強い武器なんだ。プロは成績が悪いと担当から外される。

妻 つまり、一般個人はプロのマネをすることはないということですね。

夫 そうなんだ。もちろん、個人でも、お金持ちで機関投資家に近い投資家はいらっしゃる。しかし、一般個人はそういう大口投資家と同じ土俵で戦おうとしないことだ。今も言ったように、大口の投資家がマネのできない、自分たちの強さで投資に勝つことを心がけるのがいい。特に、個人の方に言いたいのは、「大暴落」には、絶対に巻き込まれないようにする。この1点に全神経を集中させることが大切だと思う。小さい損失なら取り返せるけど、大暴落は、機関投資家でさえ、今度の金融暴落で経営破たんに追い込まれた。個人でも再起不可能になる心配がある。大暴落さえ、くぐり抜けることができれば、そんなに損をするものではない。

妻 どうするの。

夫 「大暴落」を、過去のケースで研究することだと思う。景気、企業業績がどのような状況の時、あるいは、どのようなマーケット人気の時か。特に、出来高の研究は大切だと思う。仮に、悪い材料が出ても、大商いになっていなければ、下げてもすぐに戻す。しかし、出来高が多いところへ悪材料が出ると厳しい下げになる。

■出来高の多い時こそ短期売買に徹する

妻 株価の方が大切と思っていましたが、出来高は大切なんですね。

夫 出来高が多いことは、大口投資家が出動して、戦っているわけだ。自分たちの成績を挙げるために、「相場を強くみせて」、持株を売り逃げる戦いをやっている。そんな戦場に個人が巻き込まれることはない。プロ同士に戦わせておけばいい。所詮は人のお金を動かしているわけで、負けても自分の資産が傷むわけではない。個人は、出来高が多くなったら中長期の持株でも一旦、手放すくらいの気持ちが大切だと思う。むしろ、出来高の多い時こそ、短期売買に徹するのがよいと思う。絶対に台風の中には出て行かないことだ。こつこつ儲けて、大きくドカンとやられる。株で損するというのは、このパターンがほとんどなんだ。

妻 分かりました。肝に命じておきます。それで、正式発表の決算は11月頃まで、無いということですが、相場はどうなりますか。

夫 3月期決算以外のところ、例えば2月期決算の8月中間決算などは正式発表がある。特に、消費関連の商業、ファッション、飲料のところは良くないと思われる。今年の天候不順の影響は大きい。ユニクロでさえ売上が減少した。最近は、月次売上を発表する企業が増えているから、個人の方も参考にされるといい。特に、「既存店」売上をチェックすることが大切。ただ、3月期決算には物作り企業が多いのだけど、ここは、月次は発表しない。このため、物作りのところの企業業績はしばらく空白ということになる。相場全体には、企業業績の材料から一般経済へ目が向くことになると思われる。選挙も近いから、新政権誕生後の経済政策がどうなるか。この点はまだ十分に相場には織り込まれていないと思われる。

妻 調整ムードということですか。

夫 これまでのような勢いは薄れると思う。株価に一番、利くのは企業業績の好調だから、それが空白になるため、これまでのように予想より良かったから株価急伸ということは期待し難くなる。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.08.08 |特集