☆株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします
■なぜ減らないインサイダー取引違反:妻と夫の株ロマン
■増える「インサイダー違反」
「監視委員会」のホームページを見ると、「インサイダー違反」の告発が多いですね。しかし、現職の警察官が飲酒運転で死亡事故を起こす時代ですから、一般市民に法を守れと言っても、空々しいですよね。
石川五右衛門が処刑される際に言ったといわれるが、『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の絶えることなし』。人間には、犯罪は魅力的なものらしいから、無くなることはないだろうよ。犯罪を奨励しているわけではないけど。犯罪がなくなるとミステリー小説がなくなる。十津川警部や浅見刑事局長がいなくなるのは淋しい。
なぜ『インサイダー取引違反』が多いのでしょうね。昔は、良き時代だったと聞きます。
昭和40年代から証券市場を見てきたけど、以前は株で儲けるには、(1)大手証券と取引すること、(2)仕手筋と親しくなること、(3)東京に居を持つこと、などが条件として言われていたんだ。これらは、すべて、「人より先に情報を手に入れ」て、有利に売買する、ということにほかならない。一般の人が田舎にいて、株式投資で儲けることは「神業」に近いものだった。だから、いつも損をするのは一般の個人投資家だった。
大手証券には、それだけの情報があったからですか。
そう。当時の大手は法人引受部、法人営業部、金融法人営業部、個人営業部、調査部という、「株価形成の一貫体制の組織」だった。企業の幹事となることで、「いくらの株価で増資しましょう」ということまで決めてしまって、引き受け株数から目標株価まで調査部から営業体までを使って株価形成が行われていた。この過程の情報が、大手証券と取引していれば個人にもおいしく頂けた。それが、監視委員会によって、某電鉄株の大量推奨でお灸がすえられ、規制された。
じゃあ、「昔はよかった」という人は、おいしいご馳走にありついていたということですね。今は、そういうことがなくなって、一般投資家にこそ良い時代と受け取るべきですか。
そうなんだ。北の北海道、南の沖縄に住んでいようと、東京証券取引所の『TD−ネット』(タイムリー・ディスクローズ)を開けば、ネットを使うことができる人なら、誰でも平等に情報に触れることができる。昔のように、大手証券や仕手筋が取引する証券会社でなくてもいいわけだ。余談だけど、監視委員会ができたころ、初代の委員長に取材して、監視委員会の主旨について記事にしたら、証券会社から呼び出されて文句を言われたものだ。こんなことを書いたら相場がだめになるとね。僕にとってはそれもなつかしい思い出だけどね。
■1株でも違反は見つけることができる
ネットでの取引なら、分からないのではりませんか。
そういう認識があるからインサイダー違反が後を絶たない。最近、規制関係者に聞いたことだけど、『1株でも違反は見つけることができる』ということだ。なぜなら、パソコンには取引の証拠が残っているからね。覚えていると思うけど、ライブドア事件で、当時の社内のやり取りがメールで行われていた。デスクトップから消去したから安心と思われていたようだ。しかし、『コンピューター・フォレンジング』技術によって、過去の通信記録がすべて掘り出され法廷証拠になった。
ものすごく件数は多いのでしょ。だから、一般には、『自分ひとりくらいは』という気持ちがあると思うわ。
そうだと思う。自分、一人くらいは、との気持ちは強いだろうね。最近、食品会社同士の統合の話で、社員の奥さんが2人捕まった件も、「このくらいなら」ということがあったと思う。株数が少なく、儲けた金額も多くはなかったが、課徴金支払いの命令をうけている。社名も出て、企業イメージに傷がついた。東北の投資家が印刷会社の株をめぐるインサイーダー取引違反で、儲けたお金に財産も没収された。聞くところによると9億4500万円の没収額になったようだよ。
個人投資家ばかりでなく、企業はどうなの。
大手証券の中国人社員によるM&A担当者が、M&A関連の未公表材料を使って儲けていた。当の個人が罰せられただけでなく、組織として大手証券も痛手を受けた。不祥事を起こした証券会社には機関投資家は注文を発注できない。大手都市銀行の社員も違反で実質首になっている。企業内でよくあるのは、社員持株会での売却がある。社内ルールを守って動かないといけない。
個人は、新聞でも「特種」が欲しいように、新しい材料で儲けたい気持ちは強いと思います。どのように受け止めておけばいいのですか。
新聞でも「特種」ニュースは昔に比べると少なくなっている。規制監督者が言っていたけど、『光る石を探そうとするな』、『インサイダー取引は労多くして割りに合わないもの』と。「発表されたものをどのように解釈するか」、これからは、研究して「解釈」のところで差をつけるようにするべきだと思う。
重要事項の発表はどのくらいあるのですか。どのように、チェックしているのか教えて。
法律上の情報で言えば年間9000件から1万件はある。この発表前後の「株価」と「取引量」がチェックされる。このうち、おやっと思われる案件は大体10%くらいのようだ。そこへ取引所の調査が入る。クロに近いとなれば、取引所から監視委員会へ内容が提出される。細かいことは教えてもらえないけど、さっきも言ったけど「1株でも摘発できる」精度が上がっている。
「水清ければ魚住まず」になりませんか。
証券会社の人が、よくそう言うけど違うと思う。一握りの人だけが儲けるマーケットではいけない。「判断:解釈」によって腕に差が出るのは当然だけど、情報については参加者全員が公平でなくてはいけない。野球で人気のチームに有利な判定があっては試合がおもしろくないのと同じだ。今度、政権が民主党に変わりそうなのも、マーケットと似ているところがあるように思われる。
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