☆株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします

■新政権で国家統制強まると社会主義の心配も?:妻と夫の株ロマン


■鳩山新政権がスタート:早くも話題はにぎやか

妻 いよいよ、鳩山新政権がスタートしました。八ッ場(やんば)ダムの建設中止、亀井金融・郵政改革担当大臣の中小企業・個人などの借り入れ返済猶予制度など、早くも、話題はにぎやかですね。

夫 新政権が政策公約に掲げていたことを、実行に移すのは当然といえる。やらないと国民に対しウソついたことになってしまう。

妻 でも、八ッ場ダムは昭和24年に建設計画が決まって、60年も経つのでしょ。既に、建設がかなり進んでいるようですし、首都圏などを洪水被害から守り、水がめとしての役目もあるのでしょ。今さら、どうして、という思いもあると思いますわ。

夫 新政権は以前から、ムダな工事と位置づけていた。ムダなものは見直して、福祉などに資金を回すと言っていた。急に出てきた話ではないんだ。逆な見方をする人もいる。そんなに大切なダムなら、こんなに時間をかけないで、なぜ、もっと早く進めなかったのかと。自民党が手ぬかったという見方もある。

妻 確かに、もっと早い時期に「やるならやる」「止めるなら止める」という選択はあったかもしれません。しかし、自民党だって、決めたものは、やり遂げる政策だった思いますわ。時間がかかっても。

夫 そうだね。自民党も約束していたわけだから。ただ、既に、戦後ではない。今の日本は社会資本の整備が十分に進んでいる。しかし、いつまでも自民党が道路、橋、鉄道ばかりを言う。とくに、学費を払えない家庭、病院にかかれない人などがいるのに、社会資本ばかりを言うから、民主党に突かれた。バランスが悪くなっていたことはあると思う。その象徴として八ッ場ダム建設中止が出てきたと思われる。

■国家による統制が強まると「社会主義国」の心配も

妻 亀井さんのモラトリアムというのですか、返済猶予制度。これは、国民との間にアンバランスがあったからですか。

夫 なかったとは言えないだろうね。たとえば、2003年頃のバブル崩壊では、銀行など金融機関の経営が苦しくなった。政府から救済の手が差し延べられた。「ゼロ金利」もそのひとつといえるだろう。本来、家計に入るべき利子収入が金融機関にまわった。苦しい時に金融機関を助けるのだったら、中小企業や個人だって、今の苦しい時に放っておけない。バランスを欠き、不公平ということなんだ。少なくとも景気が良くなる3年ていどは猶予したらどうか、ということだ。

妻 でも、3年も先のことなんて分からないから、結局、返さなくてもよいという受け取り方になると思うわ。それに、いちばん心配なのは金融機関は新たな融資には慎重になって貸さなくなる心配があるわ。

夫 それはあるだろうね。たとえば、自動車ローン、住宅ローンなども審査は非常に厳しくなるだろう。景気の回復を遅らせる心配はある。

妻 それに、民間同士の契約に政府が介入しては社会主義国になる心配もあります。

夫 その問題もあるだろうね。アメリカでも、オバマ政権が進めようとしている「医療保険制度」に対し、最近、10万人規模の反対デモがあった。政府の介入が強くなると、「自由」が侵されると心配されている。

妻 そうでしょ。アメリカも日本も自由に対する行き過ぎがありました。でも、行き過ぎを調整する程度ならよいのですが、国家による統制が強まると「社会主義国」になってしまうわ。特に、日本の国民には、江戸幕府によって300年もコントロールされた実績があります。自分たちで考え行動するより、お上にコントロールされるほうが「楽である」、という遺伝子があると思うわ。

■民主党政権は「企画型」タイプ

夫 しかし、昔のように鎖国をして、質素な生活で満足します、というのならよいのだが。豊かさを味わった私たちには、昔に帰ることは無理だと思う。

妻 今までの社会主義国が、みんなうまく行かなくなって自由経済を取り入れているわ。豊かさは欲しい、働かないで楽をしたい、失敗しても国がなんとか面倒見てくれるというのでは、国の力は間違いなく低下してしまうわ。

夫 きょうは、なかなか手厳しいね。ただ、新政権の政策は行き過ぎた自由主義に対し一時的に修正するということだと思うよ。もちろん、政府が民間にあらゆるところに口を出してくれば、これは桃子の言うように心配だけど、鳩山総理はそのあたりは百も承知だと思う。むしろ、「企業」と「民」の間の崩れたバランスを修復した後には、「個人」には甘えは許されなくなる。今まで以上に努力することが求められるようになると思うよ。

妻 自民党が敗れたのは、いつまでも戦後のつもりで政策を続けたことがありますね。社会が変化しているのに、対応できなかった。

夫 企業の社長のタイプを見ても戦後から成長期には営業畑出身の、「行け行けドンドン」タイプが多かった。現在は企画畑の出身者が目立つ。消費者動向、社会の動向、国際的な政治経済動向などを総合的に分析して、自社の採るべき戦略が大切になっている。今度の民主党政権も「企画型」タイプと見ることができる。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2009.09.21 |特集