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■寅年相場の投資作戦!買い場を定めて『虎視眈々』と:妻と夫の株ロマン
■「虎は千里を往って千里をかえる」
来年、平成22年(2010年)は、「寅年」ですね。トラですから、強く俊敏で、相場もきっと強いでしょうね。
ところが、そうでもないんだ。過去の「寅年」は、安くなっていることが多いようだ。
そうなんですか。ずいぶんと、強そうなのに。ネコの仲間ですから、案外、臆病な一面があるのかもしれませんね。オスは子育てをメスに押し付けて、自分勝手と聞いたことがありますわ。人間のオスと同じみたい。
最近のわれわれ男性はおとなしいよ。子育ても協力するし、家事も手伝う。けっこう、女性の、いいなりだと思うけど。ぼくなんかも、桃子の前では、『張子の虎』だと思うよ。「ハイ、ハイ」と首を振っているだけのね。
よくい言うわよ。こんな、我侭な虎はいないと思いますよ。そんなことより、『張子の虎』が出たところで、あなたの、お好きな「寅年格言」を聞かせて。
そうだね。寅年相場格言の代表は、『虎は千里を往って千里をかえる』に尽きると思っているよ。1里は4キロだから、虎は1日に4000キロを走ることができるといわれている。北海道から九州まで大体2600キロくらいだから、1日で北海道から九州まで走ることができる勘定だ。片道ということでみれば、東京から、西なら鹿児島くらいまでを行って帰って来る計算になると思う。
同じ強い猛獣でも、ライオンが寝てばかりいるのとは違って、虎には行動力があることは分かります。それで、相場に当てはめると、どうなるのですか。やはり、動きがダイナミックなのですか。
■2010年は「マクロ不安定」「ミクロ健闘」
そうだね。「往って、帰って来る」という言葉をそのまま相場に置き換えると、『往って来いの相場』、ということになると思っている。高い値段があっても、結局、元の水準に下げてくる。逆に、大きく下に下げても、また最初の位置に引き戻すと思っている。
つまり、上げっ放し、下げっ放しではないのですね。
そうなんだ。チャートでいうと、『ヒゲ足』の出る年だと思っているよ。日経平均が上げた場合、その高値水準を維持することができず、長い上ヒゲ足となってしまう。反対に、下げた場合でも、長い下ヒゲ足になる可能性が強いと思う。これに景気、企業業績を当てはめてみると、ナルホドということになると思うよ。
どういうこと。
世界経済は、2008年の金融不安を乗り越え回復に向かっている。日本においても、追加の予算が組まれるなど、景気に配慮した政策が採られている。このため、景気が大きく下に行くことはないとみていい。しかし、一方で、自民党時代からの予算に対する見直し、それに、外交問題も揺れている。特に、自分たちの政権公約である「優しさ」を実行しようとすると財源が足りない。このため、大きくは、上にも下にも行き難い状態だと思っている。
企業業績はどうですか。
2010年はマクロの「景気」については、不安定さが残ると思う。しかし、ミクロの「企業業績」については、楽観はできないが、意外と堅調だろうと思う。
どうしてですか。
たとえば、日経平均は2003年の安値水準から、既に、6年が経過した。この間、「不況慣れした」というか、有頂天な気持ちはまったくない。むしろ、「ヒト・モノ・カネ」について、膨らませることをしていないから、筋肉質の経営体質になっている。不況抵抗力のついていることがあると思う。もちろん、上場企業についての話だけどね。依然、厳しい状況の続いている、非上場企業の再生をどうするかという重要な問題は残っているが。ひとことで言ってしまえば、2010年は「マクロ不安定」、「ミクロ健闘」ということではないかと思っている。
■「小型株は押し目買い」、「大型株は下値拾い」
最初に、「寅年相場」は良くないということでしたが、今の話ですとマクロの「景気」がよくないから、指標である日経平均などは、やはりよくない。
そうだね。1950年、62年、74年、86年、98年の寅年は景気がよくなかった、というデータがある。そのかわり、その年が、向こう3年くらいまでを見通した場合、ボトム圏になっていると指摘されている。
つまり、3年程度の中期投資を志す人には、寅年は絶好の買い場になるということですか。
その通りだと思う。ただし、さっき話したように、寅年は、上にも下にも動きが荒い。特に、上に吹いたときは、いったん売却し、下へ大きく突っ込んだところは思い切って買う勇気が必要だと思う。まさに、『虎穴に入らずば虎子を得ず』、リスクを取る勇気だ。
虎のように藪に潜んで獲物を待ち構えて一気に飛びかかるのですね。『虎視眈々』と。買い場を定めて、特に、下ヒゲ足が出たら一気に買う。心しておきますわ。それで、仮に、大型銘柄と小型銘柄なら、どちらがいいかしら。
まず、小型株だと思っている。振り返ってみると、小型株の天井打ちが大型より早かった。小型株は、ライブドアショックのあった2006年に天井をつけて、調整が既に3年経過している。需給が好転しているから動きやすくなっている。その点、大型株は、たとえば、新日鉄は964円の高値をつけたのは2007年7月だったから、今年が3年目で底打ちするタイミングだとみている。このように、大型かぶは07、08年に高値をつけた銘柄が多いからシコリの整理が十分ではないんだ。景気の不安材料が出たりすると、処分売りで下げやすいと思う。「小型株は押し目買い」、「大型株は下値拾い」の年だとみている。
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