■民主党幹事長秘書の逮捕：本当に国民は納得しただろうか：妻と夫の株ロマン

■政治資金規制法問題の今後の展開

　小沢さんの元秘書ら３人が逮捕されました。国民には大きなショックです。なぜ、逮捕されなくてはいけなかったのですか。

　「逮捕」は、「犯罪を犯した疑い」がある場合、身柄を拘束して取り調べることにある。現行犯逮捕もあるけど、今度の場合は、検察が裁判所に逮捕状を請求して、それが認められたからだ。証拠隠滅とか逃亡の恐れがある場合に認められる。

　逮捕された人の中には、現役の民主党議員もいるのでしょ。逃げるわけはないと思いますけど。

　おおありだ。

　ええ、まさか。国外にでも逃亡の恐れがあったのですか。

　もっと安全なところがある。「国会の中」に逃げ込むことができる特権がある。国会が始まれば、この特権によって、逮捕されることはない。だから、１月１８日からの国会が始まる前に東京地検が動いたともいえるだろう。

　もし、それが本当なら、ちょっと汚いよね。「特権活用は民主党らしくない」わ。幹事長さんも、聴取に応じなかったみたいですね。囲碁を楽しむ姿は紹介されていましたが。

　もちろん、国会中でも逮捕はできるけど、衆議院で圧倒的多数の賛成を得なくてはいけない。しかし、力を持っている今の民主党なら拒否するだろうね。

　でも、どうして、東京地検はそこまでやらなくてはいけないの。小沢さんも、鳩山首相も、おっしゃっているわ。「昨年８月の選挙で国民の皆さんは、分かった上で、わが民主党を選んでもらえた」と。選挙資金問題は終わったことのように発言されています。

　それは、おかしいよ。確かに、お二人には、政治資金問題の影が、ちらついていたことは承知されていた。しかし、その後の東京地検の調べで、いろいろな事が表面化してきた事までは、国民は承諾していたわけではない。とくに、今度の逮捕は尋常ではない。「影がちらついていたことと」、「新たな展開」、とは違うと思うよ。幹事長が事実とは違うというのなら、地検に出向いて堂々と身の潔白を話せばいいのではないかと思う。それが国民の素直な感情だと思う。あれだけ弁の立つ人なんだから。選挙で勝利したことと、犯罪の疑いの可能性のあることは別だと思う。仮に、いくら、法律的には問題がないと主張しても、疑われていることに対しては申し開きすればいいと思う。それをやらないと、国民は、「やはり何かあるのでは」と、逆に強く、疑ってしまう。今の日本は、証拠主義に基づく法治国家なのだから、その証拠・事実は違うと争えばいい。

　小沢さんの味方をするわけではないけど、私たち、年配女性には、けっこう小沢さんファンは多いのよ。よくぞ、利権まみれの自民党をやっつけてくれたと。「水戸のご老公」のような存在なんです。ご本人は、悪いことは、やっていないと胸を張っていらっしゃるわ。自信がおありのようで、私たち女性から見れば男らしいわ。

　この問題は軽々しくは言えない話だとは思う。今後は、プロ中のプロ、東京地検の調べを待つしかない。ただ、１つだけ、庶民感覚で言わせてもらいたい。もし、小沢一郎さんが、ひとりの名も無い個人だったら、多くの建設会社が、あれだけの資金を出すわけがないということだ。なんらかの、見返りが期待できるからこそ、献金するわけだ。仮に、その会社が見返りのないまま、多額のお金を使ったとしたら、使途不明金、あるいは、背任罪で株主から訴えられる。

　たしかにそうね。見返りの期待できない、あなたや、私には、誰も、お金はくれませんわね。ですけど、民主党は「コンクリートから人へ」、とすばらしいことを言っています。

　意地悪く言えば、簡単なことだ。もう日本では、道路も橋も鉄道も空港もいっぱいできて、社会資本が充実している。コンクリートにこだわるより、庶民と言っているほうが票になるからだ。

　ひとつだけ、女性の立場として気になるのは、「きれいな政党」を打ち出している民主党の中から、逮捕者まで出しているのに、党として、調査をするといった動きがまったく感じられないことです。これでは、ほんとうに庶民派政党だろうかと、少しは不安になります。逮捕者が出ても、皆んな、黙ってしまって、「時の過ぎ行くままに身をまかせ」です。

　そうだね。

　ところで、一方の自民党はどうなのかしら。今度の国会で存在感を発揮できますか。皆さん、なんだか、ひ弱くなられたみたい。『顔色の悪い経営者の株は買うな』という教えがあるけど、今の自民党のみなさん、無理して声は大きいけど、顔色に艶（つや）がないわ。これでは、次の参議院選挙も勝てない印象ですわ。

　昔から、言われてるね。『権力に頼る者が権力を失うと一般人にも劣る』と。腕に覚えがあるわけではないし、鍬を持って汗を流すことも知らないから、こつこつと頑張る一般庶民にも劣るわけだ。昔は偉かったのだと、威張っているだけの老人になってしまう。もちろん、骨っぽい人もおられる。立て直しに本腰を入れなくてはいけない。

　たとえば。

　僕は政治も素人だから詳しくは分からない。企業に置き換えて見れば、行き詰った会社の場合、意識改革、収支のバランス、経営者の交代、社名の変更など、いろいろある。特に、大切なことは、意識改革だと思う。社会に対し、どのように貢献するかという商売の原点だと思う。社会と遊離したときに、個人も企業も政党もだめになって行く。今度、日本航空の最高責任者となられる稲盛さんの『利他の心』は、すばらしいと思う。あの心だと思う。稲盛さんの手で間違いなくＪＡＬは再生すると思う。

　なら、稲盛さんに自民党を立て直してもらえればいいのにね。前原大臣が京都府議のときから稲盛さんと、親しかったようですね。たとえば、自民党の「党名変更」はどうでしょう。どんなのがいいかしら。

　枡添議員は党名変更の必要性を強調されている。僕も、やったほうがいいと思う。僕なんか、勝手に言わせてもらえれば、『産業国民党』なんか、どうかと思っている。国家は、「産業」の活性化と、「国民」の幸福の両方がなくてはいけないと思っている。今の民主党が国民ばかりに偏っているから、日本の産業は大丈夫か、誰が稼ぐのか、と心配されている。もちろん、さらに「防衛」も加わらなくてはいけない。銀座の宝石店に壁を開けてまで侵入する時代だ。『浜の真砂は尽きるとも世に盗人の絶えることなし』。どこまで行っても犯罪と争いは、人間の営みの中では決して、なくならない。仮に、そんなことを信用したら、お人よしで、命がいくらあっても足りない。最低限の防衛は必要だと思う。国民の幸せのために産業と防衛はとても大切なことだと思う。

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