☆株ロマン☆ 時々の話題を夫婦の会話でお届けします

■アベノミクス期待材料は続く、一番のリスクは中国=妻と夫の株ロマン


妻 今年前半相場(1〜6月)は、最後のところで急落しました。7月からの後半相場はどうかしら。

夫 急落した背景は、いろいろ言われてはいるが、ひとことで言うなら、「食べ過ぎた」ことが原因だと思っているよ。1日の出来高が12〜13億株だったのが、たとえば5月23日には76億株に急増するなど明らかに出来高が多かった。買方と売方に分けて言えば、買方に力が入りすぎたといえる。

■買方をその気にさせたアベノミクス、当面、食べすぎの反動

妻 アベノミクスは買方をその気にさせた、ということにもなりますね。

夫 そういうことだろう。ただ、東京都議選、参議院選挙に照準を合わせる必要があったため、材料を小出しではなく一気に出さなくてはいけないという事情はあったと思われる。売方の立場からみれば、ご馳走はこれで終りで、もうご馳走は出ないと判断して、空売り攻勢に出てきたということもできる。

妻 アベノミクスがだめということではないのですね。

夫 経済の先生方など専門家の方々は批判もあるようだ。細かく分析すれば問題はあるだろう。しかし、アベノミクスは国策的なものだから日本の再生をはかるという大きい目標はなんら変わっていない。今は安倍さんに代わる人はいないと思う。ここで、批判を強めて、また総理を代えるようでは日本は世界から、どっちへ向いているか分からない国ということになって外国人投資家の株、国債売りにつながる心配があると思う。

■下落率は22%、東日本大震災の下げに近づく

妻 相場はまもなく底を打って徐々にで直るということですか。

夫 今度の日経平均の下げは約22%で、リーマンショックの52%下げ、東日本大震災の24%下げに比べるとまだ調整は不十分と言える。仮に、リーマンショックと東日本大震災の下げを足して2で割ると38%下げということになる。単なる数字の遊びにすぎないという批判もあるだろうが、場合によれば、そこまでの下げはあると見ておけば慌てなくてすむのではないかと思う。

妻 場合によれば、とはどういうことですか。

夫 これからの一番の心配な点は、僕は、「中国リスク」だと思っている。尖閣をめぐって、部分的な衝突の心配が高まっているように思われる。短期的には、米中首脳会談のあとだげに中国はアメリカのメンツを潰すようなことはしないだろうが、先行きは分からない。

妻 どうして。

夫 中国の経済問題があると思う。中国は外資を取り入れ安い賃金を武器に輸出で稼ぎGDPで世界2位に成長した。しかし、輸出の6割程度は中国への進出企業によるものといわれている。中国の賃金は上昇し安さの魅力はなくなっているし、先般の反日デモで進出した日本企業が焼き討ちにあった姿が世界に広く知れ渡り、中国は怖い国というイメージになって、中国への進出には慎重となっている。ヤマダ電機のように中国撤退も出ている。なら、外資系に頼らず中国独自の物つくりっを強化すればよいはずだが、緻密さといった物つくりの基本的なところがまだ十分ではないようだ。

妻 経済は厳しくなっているということですか。

夫 経済成長率は7〜8%とまだ高い状態だけど、13億人の人々が豊かになるためには経済成長率10%ていどは必要といわれることからみれば物足りない。リーマンショックのあとに中国は70兆円もの政府支出で世界に存在感をみせつけたものの、その効果があまり内需に結びついていないようだ。つまり、輸出の伸び悩みを内需に切り換えて経済成長を図ろうとしているものの、転換はうまく進んでいないようだ。むしろ、太陽光パネルで欧州とダンピング問題でトラブルとなっているし、国内では経済成長が伸び悩む中で不動産価格は高くなっている。経済が減速する中で物価は高止まりするという、スタグフレーションのような状況といわれる。このまま、内需転換がうまくできないと国民の不満は高まる心配がある。

妻 その結果が尖閣ということですか。

夫 国民の不満をそらすには、日本憎しが出てくる可能性はある。とくに、世界に広がった反日デモの悪印象を正当化するためにも尖閣問題から腰を引くわけにはいかないだろう。米中首脳会談でも中国はこの問題には強腰だったようだし、現に首脳会談のあとも中国艦船の領海侵犯が起きていることが報道されている。何も起きないことを祈るばかりだが、株式マーケットに参加している以上は、もっとも注意すべきリスクとして頭に入れておくべきたと思う。

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提供 日本インタビュ新聞 Media-IR 2013.06.16 |特集