2011年11月21日
ディジタルメディアプロフェッショナル:山本達夫CEOが競合優位性について説明
■今12年3月期第2四半期決算説明会を開催
ディジタルメディアプロフェッショナル<3652>(東マ)は18日、今12年3月期第2四半期決算説明会を開催した。
代表取締役社長兼CEO山本達夫氏は決算概要、競合優位性について、今後の戦略について語った。
「まず、ビジネスモデルを紹介します。グラフィックスIPコアのライセンスビジネスを展開しています。収入の内訳は、技術をお客様にライセンスしたときに、初期ライセンス料をいただきまして、我々の技術を製品に組み込んで出荷を始めた時にロイヤリティをいただきます。この2つが収入の柱となっています。当期においては、3DグラフィックスIPコア「SMAPH−S」を米国の大手半導体メーカーにライセンスしております。国内では、コンシューマ製品メーカー向けの新規契約を行っています。また、既存顧客向け追加ライセンスの契約も行っています。
ランニングロイヤリティの方ですけれども、ニンテンドー3DSのライセンス収入が堅調に推移しています。オリンパスの新しいPENシリーズの方にも弊社のグラフィックスIPコアが搭載されていますが、当期よりロイヤリティ収入を計上しています。
■第2四半期業績は大幅増収増益で黒字転換
また、当第2四半期につきまして、業績予想を上方修正しています。理由は、今期下半期に計上する予定していた開発案件が前倒しになっておりまして、売上が増加しております」と事業内容と第2四半期のトピックスを紹介した。
今第2四半期業績は、売上高5億52百万円(前年同期1億75百万円)、営業利益1億95百万円(同△1億69百万円)、経常利益1億76百万円(同△1億70百万円)、純利益1億71百万円(同△1億76百万円)と大幅増収増益で黒字転換となった。
通期業績予想は、売上高13億24百万円(前期比30.6%増)、営業利益4億23百万円(同34.5%増)、経常利益4億1百万円(同27.7%増)、純利益4億32百万円(同12.1%減)と大幅増収、営業・経常利益共に大幅増益を見込んでいる。最終利益は減益見込みとなっているが、前期の法人税等の調整額の影響であり、実体は大幅増収増益といえる。
■消費電力を低減することが大きな課題
競合の優位性については、「優位性については、3つのポイントに絞られます。まず、グラフィックスIPコアの消費電力が他社の製品に比べ大幅に低減しています。2つ目にグラフィックスIPのコアのサイズが半導体に実装するときに他社に比較して大幅に小型化されています。また、消費電力を下げ、小型化されているにもかかわらず画像は非常に高画質で、高繊細な画像を作ることができる特徴を持っています。
まず電力について想像していただきたいんですが、例えば我々が関連する業界としまして据え置き型のゲーム機は世界中に2億台弱あるといわれていますが、内訳は、任天堂のWiiですとか、ソニーのプレイステーション3、あるいはマイクロソフトのXBOX360ですが、仮に1億台が同時に使われたと考えた場合、大体1台当たり約100Wの電力を消費すると計算するとトータルで10ギガWになります。10ギガWという総消費電力数は原発20基に相当します。1基当たり通常50万KWとされていますので、20基分の電力を消費してしまうことになります。東京の電力消費量の2分の1から3分の1くらいです。そのくらいの電力が消費されることになります。そのため、如何に低減するかということが非常に大きな課題となっています。ゲーム機だけでなくてデジタルコンシューマー機器とか、サーバーとかを含めてですが、全体の電力消費量の大きな部分を占めています。例えば、パソコン、スマートフォンですとか、こういったものの処理能力を高めれば高める程、その分消費電力も多くなります。特に、モバイル、スマートフォンはバッテリーの駆動時間に直接関係してきますので、非常に重要な問題です。
■消費電力性能では他社の30倍から50倍以上の優位性を持つ
弊社の技術を使いますとかなり消費電力が軽減されてきます。グラフィックスをソフトウェアで処理するのが通常の方式となっています。それをハードウェア化することで、非常に大きく消費電力を下げることが出来ます。他社のグラフィックスを使った半導体と当社のグラフィックスを使った半導体を比較すると、消費電力性能比というベンチマークがります、ある一定の電力でどのくらいの画面の描画が出来るかという指標があるのですけれども、他社と比較すると弊社の半導体は30倍から50倍以上の優位性があります。これによりまして、半導体は電気を消費するとき熱いのでファンを付けたりしますが、そういったものが一切不要になります。
■半導体のチップを小さくし、コストを下げることは非常に大きなポイント
グラフィックスIPコアのサイズですが、半導体に実装した場合の面積が他社比較で2分の1から4分の1まで低減されていることが確認されています。これも半導体のチップを小さくし、コストを下げるということは非常に大きなポイントになっています。半導体が小さくなれば、シリコンの部材コストですとか、放熱部品の省略ですとか、筺体そのものを小型化することが出来るので、全体の製造コストも下げることが出来ます。それによりまして競争力のある商品が生まれることになります。
■同社のグラフィックスIPコアが任天堂の一番最近の3DSに採用される
高解像度がグラフィックスの利点ですけれども、最近のデジタル製品にはグラフィックスが数多く使われておりまして、おそらくは皆様はスマートフォンとかそういったものを使ってグラフィックスを利用されているのではと思いますが、例えば地図ですとか、アルバムのジャケットですとか、写真ですとかこういったところに非常に高度なグラフィックスが求められています。弊社のグラフィックスIPコアは、任天堂さんの一番最近の3DSに使われていますけれども、3DSの場合ですと従来のDSに比較しまして、高解像度の画像を実現していますけれども、同時に非常に本格的な3次元グラフィックスを実現しています。任天堂の岩田さんが昨年の決算報告会のひとつで、何故3DSにディジタルメディアプロフェッショナルのグラフィックスを採用したのかという質問に答えて、消費電力と表現力のバランスが良いと、まさに我々がこれまで注力してきたポイントが認められたうえでご採用いただいたということがいえるかと思います。
また、MAESTROという当社の技術を使いますと、従来のグラフィックスで実現できる画像に比べまして、非常に高精細な、例えば光の反射ですとか、影ですとか、そういったものが非常にリアルに表現できます。
■米国有名アナリストが今後生き残る世界のグラフィックスIPの一つに選ぶ
アメリカのこの業界では非常に信頼されているアナリストのジョン・ぺディーさんとういう方がいらっしゃいますが、2009年にグラフィクスに関するレポートを出しておられまして、今後、世界のグラフィックスIPでは、3社が生き残っているだろうと発表されました。その3社の中に当社が選ばれました」と同社のグラフィックスの優位性を詳しく説明した。
今後グラフィックスの市場は、2000年はグラフィックス機能が搭載されたデジタル機器が2億台だったが、2015年には搭載される機器の種類も増え23億台と見込まれている。そのような市場環境の中で、同社は、国内では、富士通、ルネサス、米国ではインテル、XILINX、台湾ではtsmcといった半導体の大手企業とアライアンスを組んでいる。また、11月には米国のシリコンバレーに営業拠点を設立することから、今後の海外での顧客開拓、海外企業との関係の強化等、事業展開も促進すると予想される。
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