2011年11月30日
決算情報 Media-IR 日本インタビュ新聞社

ビー・エム・エル:第2四半期連結業績の決算説明会を開催


■今期子会社化した岸本医科学研究所、リンテックの売上が約48億円加わる

ビー・エム・エルホームページ 臨床検査のビー・エム・エル<4694>(東1)は16日、大手町サンケイプラザで2012年3月期第2四半期連結業績の決算説明会を開催した。
 第2四半期連結業績は、売上高466億94百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益29億49百万円(同32.6%減)、経常利益31億20百万円(同29.6%減)、純利益16億76百万円(同27.2%減)と2ケタ増収ながら大幅減益となった。
 売上高については、今期子会社化した岸本医科学研究所、リンテックの売上が約48億円加わったことで、52億52百万円の増収となった。
 利益については、対前年同期比では震災の影響による減収に伴う減益に加え、節電対策費用、及び岸本医科学研究所、リンテックの統合に伴う一時的費用、のれん代償却を要因として、対前年同期比14億28百万円の減益となった。

■臨床事業において地域基幹病院への提案営業を強化

 今期の臨床事業の概況は、東日本大震災の発生以降被災地を中心に受託数が大幅に減少した他、4月以降も患者の受診控えや、企業検診の先送りなどにより、全国的に検査数量は弱含みで推移している。この様な環境の中、当期の営業活動については、引き続き新規ユーザーの獲得に努め、特に地域基幹病院への提案営業を強化した他、クリニック、中小病院の開拓に努め、成果をあげた。また、地域戦略として、横浜、大阪、神戸にそれぞれラボを新設し、顧客サービスの強化を図った。このほか新規ユーザーに加え、既存取引先への深耕開拓としてヒトパピローマウィルスやWT1MRNA定量検査を戦略的検査項目と位置づけ拡販を図った。
 アライアンスによる事業基盤の拡大については、4月より子会社となった岸本医科学研究所、及びリンテックが当社グループに加わることにより、北海道、九州地区のシェア拡大を図ることになった。
 臨床事業の売上高は、432億66百万円となり、前年同期比13.3%の増収となった。

■WT1検査は前年上期に比較して34%増の売上

 研究開発活動の概要に関しては、オーダーメイド医療への取組みについては、癌や白血病の検査の認知が年々高まり、EGFR、K−RAS遺伝子解析については保険適用されたことで、日常の保険検査として定着している。特にWT1検査は本年8月に白血病の保険適用範囲が拡大されたことにより、前年上期に比較して34%増の売上となった。また、本年2月に開始した独自開発項目であるALST(アレルゲン特異的リンパ球刺激試験)検査については、当初の新生児・乳児ミルクアレルギーに続きアトピー性皮膚炎の原因になるミルク成分や卵白、スギ、ダニ等のアレルゲンにも対応できるように、抗原のレパートリーを拡大していく予定。

■新電子カルテ「クオリス」は、操作性の良さからセミナー等でも高評価

 医療情報システム事業については、MS(メディカルステーション)の多機能を評価するユーザーへの販売を促進し、上半期のMSの販売件数は、73施設で前年同期では同数となった。一方MSのリプレイスは、既存ユーザーへの取組みを強化したことによって、堅調に推移している。
 4月にリリースした新電子カルテ「クオリス」については、その操作性の良さからセミナー等でも高評価を得ている。当初リリースした製品が導入可能な診療科が限られていることに加え、対象地域にも制約があったことから販売は低調に推移した。これらの結果、医療情報システムの販売は期初計画を若干下回り、前年同期比2.6%減の16億47百万円となった。また、電子カルテ事業の損益は、引き続き黒字基調を維持している。
 食品衛生事業では、BMLフードサイエンスにおいて、昨年10月に腸内細菌検査専用ラボを新設し、検査の受注に努めた結果、同検査の受託が大幅に増加し、売上高は16億76百万円(同13.2%増)であった。他社との競争が激化しており、厳しい環境ではあるが、新設したラボの数量効果を発揮し、更なるコストダウンにより収益効果を高める方針。
 SMO・CRO事業については、売上高は1億4百万円(同14.2%増)であった。また、コスト削減に努めたことで、赤字幅は縮小した。

■岸本医科学研究所とリンテックの統合作業を着実に進める

 第3四半期以降の戦略については、まず、岸本医科学研究所とリンテックの統合作業を着実に進めていく。そのほか、検査の依頼から報告に至る一連の業務フローにウェブ対応のシステムを構築し、ユーザーサービスの向上とペーパーレス化によるコストダウンを進める。
 医療情報システムについての業務戦略は、新電子カルテ「クオリス」の機能を順次拡充し、販売の強化に努める。特に他社のレセコン(診療報酬明細書)のデータコンバート機能を年明けを目途に装備することにより、他社のレセコン及び電子カルテユーザーを対象に「クオリス」の販売を強化していく。また、MSのリプレイスについても上期に引き続き推進していく。

■CBラボは2011年8月に米国CAPの認証を取得

 米国のコーヴァンス社と昨年9月に新設した国際治験用共同ラボ、通称CBラボは、震災の影響により5月上旬まで一時的に閉鎖していたが、再開後は計画を上回るペースで順調に推移している。また、CBラボは、2011年8月に米国CAPの認証を取得した。今後はグローバル治験の拡大に対応するため、更なるラボの拡張と、コーヴァンス社と歩調を合わせた営業活動を展開することで、業容の拡大を図る。
 アライアンスによる事業基盤の拡大に関しては、今期より子会社となった、岸本医科学研究所、リンテックの統合作業を進めていく。
 今通期連結業績予想に関しては、第3四半期に持ち直しの兆しが見られるものの国内外の景気動向が不透明感を増していることから、先行きについては当面慎重に見ていくとしている。また、価格競争の激化が見込まれることから、期初の公表数値を据え置くとしている。

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