
しかし、5月14日に発表された今11年3月期連結業績予想は、売上高90億円(前期比63.5%増)、営業利益14億円(同733.7%増)、経常利益13億5000万円(同1413.7%増)、純利益8億円(前期△3100万円)と、今期早くもV字回復を予想している。
6月2日に、みずほインベスター証券の本館で、国際計測器の決算説明会が開催された。
今期のセグメント別売上予想は、タイヤ関連50億円(前期24億1300万円)、自動車部品関連7億円(同6億1600万円)、IT関連3億円(同2億3400万円)、シャフト歪自動矯正機5億円(同2億3000万円)、電気サーボ式試験機8億円(同4億4800万円)、その他7億円(同6億2800万円)、東伸工業10億円(同9億3400万円)となっている。どの部門も前期より大幅に売上が増加しているが、中でも利益率の高いタイヤ関連の売上増が目立っている。
■前期末の受注残高は53億2200万円、しかも4月に15億円受注
また、今期業績を占う上で重要なのが、受注残高であるが、前期末の受注残高は53億2200万円であり、09年末の受注残高29億8100万円と比較すると今期の業績回復はかなり期待できる。しかも4月に15億円受注したことから既に70億円は受注していて、東伸工業の受注と併せると今期売上予想の90億円はほぼ達成できると見ている。
取締役総務部長松本博司氏の説明によると「今期の受注は100億を見ています。今期の売上となるのがそのうちの50億円で、残りは今期末の受注残高となる計算です」とのことで、受注して、作りこみに約半年と見ている。
前期は下半期に入って中国、韓国、台湾が設備投資を積極的に行なってきたが、売上は今期にずれ込んでいるとのことであり、国内より、海外での受注が伸びている。
■フラットベルトシャーシーダイナモメータは注目の的
松本博司氏の前期の決算説明と今期業績予想の説明の後に、代表取締役社長松本繁氏が「新規参入業界への展望」というタイトルで、電気サーボを使った新製品の現況と、今後について語った。
「リーマンショックの影響で前期は大幅減収減益となりました。今後、国内の自動車業界が回復してもリーマン以前まで業績が戻るとは思っていません。戻ったとしても70%までだと思っています。では、今後どのようにして、国内の売上を回復していくかが課題ですが、既に、新事業として電気サーボを使った製品を完成していて、これまでのところ顧客の反応は良好ですので、新事業の分野で売上を伸ばして行きます。その中でも今後5年間の売上計画の中で、最も中心的役割を果たすだろうと期待しているのがフラットベルトシャーシーダイナモメータです」と語り始めた。
フラットベルトシャーシーダイナモメータは、EV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)用の完成車走行試験機である。「国内大手自動車メーカーに入れて完璧だと評価されました。更に、EVに使うために買ったが、一般のガソリン車用も作るように依頼されました。また、フラットベルトシャーシーダイナモメータを5月に開催された"人と車のテクノロジー展"に出展したところ注目の的でした」と顧客企業の反応を紹介。同社では、現在他の自動車メーカーにも売込をかけている。
■各自動車メーカーは全て油圧式の加振機を持っているが、油圧式に代わるものを探しているのが現状
次に紹介されたのがEV用リチウムイオンバッテリー及びカーエレクトロニクス用品向けの振動試験装置と垂直&水平衝撃試験装置。リチウムイオン電池は爆発すると人身事故につながるために危険であるが、その危険を取り除くためのデータの収集に同社のサーボモータを使用した加振機が使われている。今後、リチウム電池をターゲットとして販売していく。
また、既に今年の秋口に他の国内大手自動車メーカーに納品が決まっているのが車載型3軸同時振動試験装置(EV用 3軸4ポスター)。「各自動車メーカは全て油圧式の加振機を持っていますが、油圧式に代わるものを探しているのが現状です。同社のサーボ式加振機に各企業とも注目しています」(松本繁社長)。
■日本だけでなく、中国、米国、英国等の高速鉄道を計画している国々に向けて販売
自動車だけでなく、鉄道向けの加振機も受注している。「どの会社であるか、現在は発表できませんが、既に受注しています。」(松本繁社長)といって紹介されたのが、鉄道車両用品向け振動試験装置。鉄道用エアコンの振動試験を実施する場合、5m×3mのテーブルが必要である。そこで、開発されたのが、同社のサーボ式の加振機を使った大型振動台である。日本だけでなく、中国、米国、英国等の高速鉄道を計画している国々に向けて販売していく方針。
更に、鉄道車両用軸受耐久試験機である。今後鉄道関連の各企業向けに試験機の販売が進むものと期待されている。
更に、子会社である東伸工業は、中国の原子力発電所向けに金属、新素材関連の材料試験機である「クリープラプチャー試験装置」と高温、高圧環境測定装置「安定速度型応用力腐食割れ試験装置」の販売に注力する。
説明会の最後に「1株当り利益100円を達成するのが、上場来の夢です。3年後には1株当り利益100円を達成できると思います」(松本繁社長)と語った。
5ヵ年経営計画を発表しているが、11年90億円、12年100億円、13年110億円、14年120億円、15年135億円の売上を計画している。
■加振機の分野でシェア拡大が予想され、売上急回復も
前期は大幅減収減益であったが、貸借対照表を見ると、流動負債は短期借入金が5億8400万円減少したこと等から35億7400万円(09年3月期末比3億4700万円減)、固定負債は長期借入金が1億6400万円増えたこと等から15億9000万円(同2億1800万円増)、純資産は57億7200万円(同1億3300万円減)となり、自己資本比率は52.6%と09年3月期と変化は無く健全といえる。
キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フロー13億8200万円、投資キャッシュ・フロー△3億4400万円、財務キャッシュ・フロー△6億3500万円で、現金及び現金同等物の期末残高は15億3700万円(同4億400万円増)となっている。
新製品の評判も良いことから、加振機の分野でシェア拡大が予想され、売上急回復も期待できる。
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