2011年1月25日
毎日コムネットの10年11月期連結業績は大幅増収増益を達成
■不動産市況の回復により、販売用不動産の売却が計画以上に進む
毎日コムネット<8908>(JQS)は、1月18日に前10年11月期の決算説明会を開催した。
10年11月期連結業績は、売上高116億9200万円(09年期比31.6%増)、営業利益7億5600万円(同55.5%増)、経常利益6億400万円(同80.4%増)、純利益3億4300万円(同12.58倍)と大幅増収増益を達成した。
不動産市況の回復により、販売用不動産の売却が計画以上に進んだことが好業績の要因。また、学生マンション部門の総管理戸数は、158棟6359戸(同240戸増)と順調に伸びていることも一因。しかも、4月の入居率も5年連続で100%を達成する等不動産業界では極めて稀なパーフェクトの入居率を記録している。一方、物件の売却も順調であったことから、有利子負債の圧縮は大幅に進んだ。この背景には、企業が保有不動産の有効活用を進めるCRE戦略に大学生向けのマンション事業がマッチしていることがあげられる。人材ソリューション事業については、ワークス・ジャパンとの資本業務提携を行ったことにより、今後のステップアップが予想される。
■主力の不動産ソリューション事業は98億400万円(前期比39.5%増)と大幅増収
事業部別の売上高は、不動産ソリューション事業98億400万円(同39.5%増)と大幅増収となった。その内訳は、学生マンション部門58億5900万円(同7.9%増)、開発部門39億4500万円(同2.47倍)と共に増収。特に開発部門では、計画を上回ったことから、大幅増収。
学生生活支援事業は、18億8700万円(同1.9%増)であった。内訳は、課外活動支援部門17億9300万円(同0.5%増)、人材ソリューション部門9400万円(同37.1%増)とともに増収。
事業別の売上総利益は、不動産ソリューション事業17億2900万円(同18.0%増)。内訳は、学生マンション部門17億300万円(同3.6%増)、開発部門2500万円(09年期△1億7900万円)。
学生生活支援事業は、10億500万円(09年期比1.0%増)。内訳は、課外活動支援部門9億2900万円(同2.2%減)、人材ソリューション部門7500万円(同70.8%増)。
■有利子負債は55億6800万円(前期比24億3600万円減)と大幅圧縮
販管費は19億7700万円(同0.2%増)と大幅増収の割合には、微増にとどまった。販管比率は16.9%と09年期の22.2%から5.3ポイント改善している。そのため、営業利益以下が大幅増益となった。
流動資産は71億7200万円(同24億200万円減)となっている。その中の現金及び預金は36億8500万円(同6億4700万円増)、販売用不動産は28億3500万円(同26億6900万円減)。
固定資産の中の賃貸用不動産は、建物の完成により24億2200万円(同6億4600万円増)となっている。有利子負債は、不動産物件の売却が済み、販売用不動産資産はほぼ半分となったことから、55億6800万円(同24億3600万円減)と大幅圧縮となっている。一方、純資産は38億7800万円(同1億3800万円増)となり、自己資本比率は33.9%と5.2ポイント改善している。不動産関連会社としては、健全な財務内容であることから、資金調達環境は良好といえる。
■今期より学生マンション事業のビジネスサイクルに対応し、11月決算から5月決算に移行
今期より、主力である学生マンション事業のビジネスサイクルに対応して、11月決算から5月決算に移行するため、今期は6カ月間の変則決算となる。
今期の計画は、不動産ソリューション事業の開発部門では、引き続き需要の見込めるCRE(企業保有不動産の有効活用)戦略に照準を合わせ、企業保有不動産の有効活用の提案力を強化していく方針。一方で、販売用不動産物件の全売却を目指す。
学生マンション部門では、引き続き募集力強化と管理品質の向上を実施する。自社物件の売却により、一時的に賃料収入性は下がるものの、今後の管理戸数拡大を見据え、着実に事業基盤強化を進める。
学生生活支援事業では、ワークス・ジャパンとの連携を活かし、事業の拡大を目指す。
11年5月期の連結業績予想は、売上高53億8000万円(前期比33.2%増)、営業利益5億5800万円(同11.3%増)、経常利益4億8000万円(同13.5%増)、純利益3億円(同29.0%増)と増収増益を見込む。
■ 学生マンションの供給は総需要のわずか5.4%
今期の販売用物件は、経堂(39戸)、上板橋(171戸)、保谷(60戸)、田端(30戸)、三鷹(37戸)の5件、資産概算は約28億4000万円。11年5月期の学生マンションの総管理戸数は6900戸(前期比541戸増)を見込んでいる。
首都圏の4年制大学・大学院生の総数は、07年113万6000人、08年114万5000人、09年115万6000人、10年117万9000人と増加している。その中で、自宅外生総数は約52万人であり、賃貸マンションに住んでいる学生はその内の33.5%、アパート等は66.5%となっている。現在の学生マンションの供給は約2万8000戸で、総需要のわずか5.4%にすぎない。同社の5年連続入居率100%達成と共に学生マンションの需要が高いことが窺える。
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