2007.11.27
全国に学生ネットワークを構築し首都圏の大学生ターゲットに学生マンション等を展開
総管理戸数は131棟5179室、学生の安心・快適ニーズに応える
【ビジネス】 同社のビジネスを紹介するには「沿革」に触れる必要がある。1979年にトラベル・ドゥ・インターナショナルを設立、旅行業に端を発したことにある。当然、旅行といえば学生であり、とくに大学生との関わりが深く、これが同社の「学生のニーズにビジネスチャンスを見出し事業を展開してきた」ことがベースとなっている。
即ち、首都圏大学生の合宿研修、スポーツ・音楽イベント等の企画運営、アルバイト情報から就職支援サービスなどのコンテンツを拡大しながら、他に類を見ない学生ネットワークを構築する一方、学生需要を背景とした学生マンションの開発、運営管理を主力事業として拡大。現在では、「学生」のみならず、経営の合理化と学生サービスの強化を図る「大学」、不動産の有効活用を考える「企業・社会」、そして「不動産オーナー」に対し、有効なコンテンツを提供する企業として躍進。まもなく設立30周年を迎えるが、年商100億円も射程圏となっている。
売上構成では07年5月中間実績では「不動産ソリューション事業」が86%、「学生支援事業」が16%の割合。特に、不動産ソリューション事業は首都圏における学生専用ワンルームマンションの開発・賃貸・管理に特化し平成19年9月末においては総管理戸数131棟・5179室に達する規模だ。また、同中間期における売上総利益では不動産ソリューションで73.3%、学生支援で26.7%の比率になっている。企業本来の収益力を表す売上営業利益率は5月中間期で13.0%(06年11月期は10.6%)と10%を超え高収益を誇る。
首都圏学生マンション市場4000億円と先行き明るい
同社グループの主要顧客層である大学生マーケットは平成18年春の大学入学者数は59万5000人、大学生総数で285万9000人と引き続き過去最高水準を誇っている。とくに、首都圏大学への希望率は非常に高く、なかでも女子学生のひとり暮らしに対する安全性・快適性のニーズは非常に高い。首都圏大学生は約115万人、この内、自宅以外の大学生が52~54万人。首都圏での学生マンション市場は推定4000億円超と開拓余地は大きい。
07年11月期は大幅増収、利益倍増で5円増配の年19円
【業績】 中間期では前年同期に比べ売上で52.6%、営業利益20.1%、経常利益30.7%、当期純益で31.9%のそれぞれ大幅な伸びとなった。セグメント別では主力の不動産ソリューション事業が59.7%増の32億1900万円。不動産ソリューソンは、さらに開発部門と賃貸・管理を行う学生マンション部門から成り、開発部門で273%増、学生マンション部門で29.4%増の成績。同社が不動産を仕入れ、学生マンションを建設、ファンド等へ販売した後にサブリースで運営を受託する独自開発にも注力。中間期では独自開発による5棟243戸を含む新規サブリース12棟614戸、自社保有1棟59戸、新規管理受託1棟36戸を開発した。
一方、賃貸・管理の学生マンション部門は仲介専門子会社の学生サービスプラザの強化を図り、大学との連携や全国大手不動産会社とのネットワークである「全国ひとり暮らしCLUB」の拡大等によって、管理物件の入居率は100%を維持している。
生活支援事業も2つの部門から成り、合宿・研修を主とする課外活動支援部門と、就職支援を行う人材ソリューション部門である。
営業利益率は14%台へさらにアップ
今11月期の第34半期の業績を発表した10月10日に配当を5円増配して年19円とすることを発表した。通期の見通しが予定線通り好調なためだ。即ち、売上高は前期比39.6%増の88億円、営業利益91.7%増の12億8200万円、経常利益110.7%増の12億円、当期純益109.2%増の6億7500万円の見通し。1株利益は72.7円(前期35.9円)、営業利益率は14.56%にさらに向上する。
株価609円(27日)はPER8.4倍、利回り3.11%
- 証券コード=8908
- 上場市場=ジャスダック(2002年10月上場)
- 売買単位=100株
- 本社=東京都千代田区
- 経営トップ=伊藤 守社長
- 設立=1979年4月
- 筆頭株主=伊藤 守(保有比率27.7%)
- 時価総額=57億7400万円(26日)
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