2009年09月28日

ダストコントロール市場の現況:新型インフル関連として注目


■今後も底堅い需要が見込める内需関連

 ダストコントロール市場は3400億円の市場と言われている。マット、モップを企業のオフィス、工場あるいは、店舗、個人宅にレンタル販売する事業を指す。代表的な企業として挙げられるのがダスキン<4665>(東1)であるが、その他の上場企業では、ユニマットライフ<7560>(東1)、ダスキンの代理店最大手であるナック<9788>(東1)などがある。未上場には、サニクリーン、リースキン等。

 ダスキンは草分け的な存在であるが、ダストコントロール市場を対象とする同社の「愛の店関連事業」の業績はリーマンショックの影響もあり低迷している。今第1四半期業績を見ると、売上高251億600万円(同4.6%減)、営業利益51億700万円(同1.0%減)と減収減益。
 ダスキンの業績が低迷していることから、ダストコントロール市場全体が縮小傾向にあるかというとそうではない、まだダスキンの売上規模には遠く及ばないが、着実に営業領域を広め、売上を伸ばしている企業もある。

 ユニマットライフである。同社のレンタル事業は、第1四半期に北海道にレンタル札幌営業所を開設し、顧客を新たに獲得するなど好調に推移している。第1四半期の売上高は22億7,500万円(同18.6%増)、営業利益2億7,500万円(同12.8%増)と2ケタ増収増益を確保している。

 ナックのレンタル事業は、8月11日に第1四半期決算短信を発表しているが、急速な消費低迷の影響を受け、前期後半以降、主力のダストコントロール商品について新規顧客獲得の不調が続き、売上高27億1900万円(前年同期比4.1%減)、営業利益3億5700万円(同22.3%減)と減収2ケタ減益となっている。
 ナックはダスキンの代理店最大手であることから、ダスキンの営業方法を踏襲しているため、ダスキンとの違いは少ない。そのため、ここではダスキンとユニマットライフの営業方法の違いを取り上げる。

 まず最大の違いは、ダスキンが代理店販売方法を採っているのに対し、ユニマットライフは直販体制で事業展開している点である。ダスキンは全国の代理店を募集して一挙に全国展開を果たしている。代理店の中には、ナックのように上場している企業もある。ところがユニマットライフは、今第1四半期に北海道にレンタル札幌営業所を開設しているように、営業所を開設して周辺の営業領域を徐々に開拓する方法を取っているため、全国展開に時間がかかっている。しかし、代理店販売と違い直販体制であるために、商品の価格競争の点で優位性を持っている。そのため新規顧客が順調に進んでいる。

 また、ユニマットライフは、営業対象を企業のオフィス、工場、店舗としているが、ダスキンは個人住宅も取り込むことで、営業領域が広く、しかも事業開始時期も早かったことから、売上規模は断トツである。ただ、個人住宅を訪問する場合、留守も多く、何度も足を運ぶため、営業効率の面で劣る。

 両社ともにそれぞれの特長を活かし、事業の拡大を進めているが、リーマンショックの影響で、顧客である企業の業績が悪化していることから、事業環境は悪くなっている。しかし、オフィス、工場、店舗を清潔に保つことは、衛生上必要不可欠であることから、需要は底堅い。
 今期は新型インフルエンザが流行していることから、各事業所でもアルコール消毒液が不可欠であり、売上が伸びている。ユニマットではアルコールスプレーを販売しているが、供給が間に合わない程売れている。同じく、空気清浄機のレンタル販売も好調である。

 ダストコントロール企業は、職場の衛生環境を保つ重要な役割を果たしているため、今後も底堅い需要が見込める内需関連企業といえる。現在のところダスキンが先行しているが、第1四半期で2ケタ増収増益を確保しているユニマットの動向にも目が離せない。