翻訳センター Media-IRフェア(日本インタビュ新聞社)

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■翻訳ツール「HC TraTool」の活用で、品質・生産性の向上から「信頼度」のアップへ

 翻訳ツール「HC TraTool」は、着実に導入効果を実現し、翻訳サービスの品質・生産性向上への鍵を握っている。前期は登録翻訳者の約3割程度(1,305人)がツールを導入し、11年3月期の3倍近い5,268件を処理、ツール使用案件の売上高は3倍超で売上高構成比率は18%に急増した。処理時間の短縮に加え、その効果は品質の安定化に繋がり、信頼度を高めている。

HC TraTool

■事業領域拡大・新規業務進出へ、資本・業務提携など戦略的施策を積極化

エムスリー社との提携では全国のドクターの6割が登録する有力サイト「m3.com」をはじめとする医療業務従事者への医学論文翻訳および校閲サービスの提供がある。
また、「アイエスエスグループ」の子会社化に向けた動きは、通訳事業や翻訳者・通訳者育成機関の運営という語学教育事業への本格的進出が視野にある。子会社化した後は、筆頭株主であるウィザス社が持つ豊富な教育業の専門的ノウハウが活用できるだろう。
いずれも、事業領域拡大・新規業務進出へ向けた需要創出に繋がるシナジーが期待できる戦略的施策である。

分野別売上高構成比の推移

分野別売上高構成比の推移

■グループ展開

・顧客企業のグローバル展開に対応したグループネットワーク構築に取組んでいる。
・米国子会社は売上、利益ともに堅調に推移、3年目(08年)より黒字化、11年12月期売上高16%増(前年同期比)など順調な成長を見せ、業績に貢献している。
・中国子会社は今期より連結対象会社となった。業績は想定以上の水準で推移しており、成長が期待される。

【強味(3大ポイント)】

(1)翻訳業界唯一の上場企業、産業翻訳のリーディングカンパニー
(2)登録翻訳者数4,596人(12/3月末現在)、取扱言語数が最大規模
(3)翻訳支援ツール「HC TraTool」を開発、品質・スピードで差別化を確立

近況リポート

■重点4大策の着実な実施で増収増益へ、株主還元は継続的増配を目指す

 『12年3月期業績』:売上高・利益ともに過去最高額を達成、工業・医薬分野が約20%増収となり、特許分野の回復が鮮明となった。損益面では、売上増に加え、翻訳支援ツール「HC TraTool」の活用が浸透するなど経費コントロールが奏功し増員に伴う人件費増をクリア、営業利益57.3%、経常利益62.7%増など大幅増益を達成した。

 売上高6,000百万円(前期比8.3%増)、営業利益490百万円(同11.3%増)、経常利益490百万円(同11.4%増)、当期純利益260百万円(同14.1%増)を見込む。

今期の重点施策

1)ローカライゼーション/マニュアル翻訳分野への本格進出により、英日案件でのノウハウ・実績を上げ、将来的には日本語から多言語翻訳の受注を目指す。
2)10年に設立した子会社「外国出願支援サービス」は、既に海外13ヶ国の現地特許事務所(代理人)と提携。受注体制を強化し、企業の知的財産関連部署との取引拡大に取組む。
3)アメリカ子会社「HC Language Solutions,Inc.」は工業・医薬分野の成長が著しく、10年以降増益基調で貢献。また、中国子会社「北京東櫻花有限公司」が連結対象となった。顧客企業のグローバル展開にスムーズに対応し、日・米・中を中心にグループネットワークを構築、受注拡大を図る。
4)翻訳支援ツール「HC TraTool」(翻訳プラットフォーム)は、着実に導入効果を高め、翻訳の品質安定と総利益率向上に貢献している。さらに導入翻訳者数と使用件数の増加を図り、生産性・効率化に取組む。株主還元については、業績に応じた継続的増配を目指す。

株価チャート

中期注目銘柄:業績絶好調、グローバル時代にマッチし上値大きい

LinkIcon翻訳センター<2483>(JQS)

 全般相場の下げで同社株も調整しているが、年初来安値11万5800円(1月16日)に対し、その後の安値は5月21日の12万5300円と余裕十分。しかも、6月5日には、再度、12万5300円とダメ押しの「二番底」を形成し好チャートなっている。22日(金)の終値は14万2900円。

 業績は絶好調。2011年3月期の12.2%増収、営業利益18.0%増益→2012年3月期16.3%増収、営業利益57.3%増益→2013年3月期(予)8.3%増収、営業利益11.3%増益、と連続2ケタ増益が続いている。今期予想1株利益は1万5434円、前期に500円増配して年4,500円とした配当は今期継続の予定。

 同社グループのビジネスモデルでは、翻訳者をはじめとする業務委託先の確保・拡充が重要。外国語に精通し、かつ専門分野の知識を保有している人材に加え、高付加価値サービスや新規事業領域拡大には各業界に精通した専門家の拡充が不可欠。言い換えれば、この点に同社の強さがあり他社の追従を許さないところとなっている。現在の翻訳者数は4,596人(2012年3月期末)。今後、グローバル経済とともに同社の事業環境は明るいといえる。

 利回り3.14%、PER9.2倍。業績の伸びから判断してかなり割安。2006年4月の上場直後に123万円の高値がある。このところ、新興系の好業績で天井の高い銘柄が注目されていることからみて中期有望といえる。中期50万円は見込めるのではないだろうか。

会社沿革

1986年
医薬翻訳専門の株式会社メディカル翻訳センター設立(大阪市)
1997年
現社名「株式会社翻訳センター」に変更、大阪・東京・名古屋に拠点。医薬・工業・特許分野の翻訳サービス開始
1998年
金融分野の翻訳サービス開始
2003年
メディカルライティング業務開始
2004年
一般労働者派遣事業開始、株式会社国際事務センター(東京)を完全子会社化
2006年
大証ヘラクレス市場へ上場、HC Language Solutions,Inc 設立
2008年
北京東櫻花翻訳有限公司(合弁会社)設立(中国、北京)、株式会社HCランゲージキャリア(人材派遣)を設立
2010年
第三者割当増資実施し、割当先エムスリー株式会社と資本・業務提携締結、株式会社外国出願支援サービスを設立

翻訳会社 株式会社翻訳センター


翻訳PFの質・規模拡充
成長で企業価値の増大を
継続する企業めざす

代表取締役社長 東 郁男代表取締役社長 東 郁男

 経済のグローバル化が、あらゆる産業分野で翻訳サービスの重要度を高めています。弊社はこうした環境変化に対応できる体制をいち早く整え、専門領域を拡大し、特許、医薬、工業、金融の主要4分野で、他社の追随を許さない専門性を確立、翻訳サービス業におけるリーディングカンパニーの地位を確立しております。

 弊社開発の翻訳支援ツール『HC TraTool』は品質の安定・向上と作業効率化を追求しており、弊社が目指す『翻訳プラットフォーム』の基盤です。『品質・スピード・価格』という本来トレードオフの関係にあるサービス要素を、可能な限り顧客ニーズに近づけ、満足度を一段と高めることができました。今後、さらなる成長に向けて、翻訳者の増強、海外を含めた営業拠点拡大、提携先の拡充、事業提携ならびにM&Aなどにより、翻訳プラットフォームを質・規模面から拡充する。成長により企業価値を増大させ続ける企業をめざしてまいります。

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