【事業】 1959年に京友禅の捺染用スクリーン型の製造・販売会社として発足し、その技術を活かして1967年にプリント配線板の製造開発に着手。以来、顧客のニーズの多様化、品質、納期面と様々な要求に応えて片面プリント基板、両面プリント基板、多層プリント基板を生産して、今日まで着実に成長を続けている。 | ||
本社
同社の強みは、技術力と共に、事業戦略が正確である事が挙げられる。市場動向を分析して、今後の方向性を出し、それに沿った中期経営計画を立案し、確実に実行していて、その戦略が的中していることから、業績は安定している。現在の中期経営計画では、環境対応戦略、ボリュームゾーン戦略、グローバル戦略、収益力強化戦略、新規事業戦略と5つの重点戦略を掲げている。
その中で、環境対応戦略を取り上げると、LED関連市場の急速な増加、省エネ家電の普及、電気自動車の増加という市場の流れに沿って、片面基板、両面基板ともに研究開発を行っている。前期にLEDの販売が好調に推移したのも、先駆けて基板の開発を進めていたことの成果による。前期の照明機器売上は67%増と大幅に伸びている。また、省エネ商品としてLEDの需要が伸びたことから、LEDの売上高は約8億円と大幅増収となった。
一方で、今後のニーズが高くなると予想される、放熱性の高いインクの開発、ソリ対策、ファイン化等の研究が引き続き進んでいる。半導体の機能が良くなっていることで、受け皿である基板の高性能化も要求されることからファイン化の技術開発を進めている。
今期は、電気自動車向けの大電流に対応した厚銅箔基板対応のための設備を京都工場に導入した。LED照明向けに関しては、中国でも生産できる体制を構築する計画。その他の、4つの戦略に対しても、成果を出している。
1月31日に発表された今期13年3月期第3四半期連結業績は、売上高116億6百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益5億27百万円(同17.6%増)、経常利益6億7百万円(同17.9%増)、純利益2億96百万円(同16.0%減)と減収ながら営業・経常利益共に2ケタの増益を確保している。
売上高に関しては、国内外で片面プリント基板は自動車関連が順調に推移し、電子部品、アミューズメント関連も回復が見られたものの、国内での家電製品分野の需要減と、海外で映像関連分野の低迷が続いたこともあり減収となった。
利益面では、香港国際調達拠点(IPO)の活用により、原価率が低減したことと、海外工場の省人化が進んだことで、減収にもかかわらず増益を達成している。
一方、投資有価証券の減損処理48百万円と実装事業の子会社の固定資産減損損失75百万円を特別損失として計上したことに加え、同事業の回収が見込めない繰延税金資産56百万円を取り崩したことにより、最終利益は減益となっている。
第4四半期(1月から3月)はこれまで堅調に推移していた国内においても、自動車関連分野や家電製品分野を中心に需要の減速が見込まれることから、通期連結業績予想は、売上高150億円(前期比7.2%減)、営業利益5億50百万円(同23.2%減)、経常利益6億50百万円(同18.3%減)、純利益3億20百万円(同47.9%減)を見込んでいる。
■タイ、ベトナムに進出している日系企業との取引は急増、今後も東南アジアへ進出する日系企業は増加
映像関連の売上が減少していることもあり、今期は減収を見込んでいる。その様な状況の中で、今後利益を確保できる筋肉質に改善する取組みに注力している。
例えば、香港国際調達による資材の一括購入により、原価率の低減が進んでいる。また、中国では、上昇している人件費に対応して、1億円を投資して、工場の省人化を進めている。インドネシアの工場については、これまで5ラインで生産していた片面プリント基板を従来の生産量を保ちながら3ライン体制に変更し、残った2ラインを両面プリント基板の生産に切り替えることで、生産の効率化を目指している。
全体では減収となっているが、タイ、ベトナムに進出している日系企業との取引は急増している。12年12月時点で、タイ向けの売上高は3億57百万円(前年同期比614.0%増)、ベトナム向け2億31百万円(同171.7%増)と一挙に急拡大している。今後も、チャイナプラス1で東南アジアへ進出する日系企業が急増していることもあり、インドネシア工場の重要度は更に高まっている。
■LED照明向け放熱基板「Kyosha Nacora」の売上は順調に拡大
また、LED照明の売上は前期比で横ばいであるが、前期第3四半期から販売を開始したLED照明向け放熱基板「Kyosha Nacora」の売上は9カ月間で1億20百万円と順調に拡大している。既に、性能を向上させた第2世代の開発が完了していることから、今後の売上拡大が期待されている。
これまでは、円高の影響で、日本の家電メーカーの売上の不振が目立っていたが、3月10日には1ドル96円と昨年の1ドル80円台と比較すると大幅な円安となっている。円高で苦しんできた顧客である日系メーカーにとっては追い風となっている。その様な状況下で、既に生産性の向上、仕入れの低減化を実現していることから、同社にとっても今後の好業績は大いに期待できる。
株価は、1月31日に250円の年初来最高値を付けていたが、同日引け後に発表された下方修正により、2月13日には178円まで下げたが、その後は徐々に回復して、3月8日には201円まで回復している。株価指標は、予想PER9.0倍、PBR(実績)0.84倍、配当利回り2.49%と割安。
既に、片面プリント基板では同社の寡占状態であることから、価格競争は無く、利益の確保が見込めるうえに、環境対応のLED照明向け放熱基板「Kyosha Nacora」、電気自動車向けの大電流対応厚銅箔基板を開発済みであることから競争力はさらに強化されたといえる。
京写<6837>(JQS)
株価の動きを見ると、11月中旬の安値圏150円近辺から急反発して、1月31日には昨年来高値となる250円まで上昇していたが、今期業績見通しの減額修正を嫌気して急反落した。2月13日には178円まで調整する場面があった。2月18日の終値182円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円33銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS224円52銭で算出)は0.8倍近辺となる。
昨年来高値圏から急反落して調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が14%を超えており、売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると、3週連続で長い陰線を引いたが、26週移動平均線近辺で下げ止まり感を見せ始めている。失望売りはほぼ一巡した可能性があり、反発のタイミングが接近しているようだ。
1951年5月 |
京都市中京区にて、捺染用スクリーン型の製造と販売を開始
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1959年2月 |
京都市伏見区株式会社京都写真型を設立
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1967年12月 |
現在の本社、工場の京都府久世郡久御山町森300へ移転、プリント配線板の製造開発を始める
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1974年6月 |
熊本県玉名市にプリント配線板専用の九州工場完成
プリント配線板自動化ラインを導入
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1982年11月 |
現在の商号である株式会社京写に社名変更
京都工場を増設し、産業用の両面プリント配線板専用設備を設置
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1993年12月 |
香港に合弁会社を設立。(現京写香港)
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1994年6月 |
中国広州に合弁会社を設立。(現京写広州)
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1994年7月 |
インドネシアに合弁会社を設立(現京写インドネシア)
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1999年11月 |
株式を日本証券業協会に店頭登録(現JASDAQ市場)
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2007年8月 |
米国カルフォルニア州サンディエゴ市に京写ノースアメリカを設立
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2008年5月 |
電子部品実装会社の三和電子株式会社を子会社化
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2010年2月 |
埼玉県坂戸市に実装治具製造会社の京写プロセス・ラボ・ミクロンを設立
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2010年3月 |
新潟市に両面プリント配線板製造の新潟工場を開設
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2010年12月 |
タイ王国バンコク市に京写タイを設立
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