【注目株】綿半HDが株主優待を発表し「半値押し」から再上昇の可能性も

株式市場 銘柄

■業績好調でPER割安「極めて健康的な調整」が一巡中

 長野県を地盤にホームセンター事業や建設事業などを展開する綿半ホールディングス(綿半HD)<3199>(東2)は8月12日の取引終了後、2015年9月末から株主優待制度を開始すると発表し、毎年9月30日現在の株主名簿に記録された同社株式100株(1単元)以上を保有する株主を対象に、(1)同社グループのホームセンター「ホームエイド」店舗で使用できるポイント2倍カード、(2)2000円相当の長野県特産品の中から1点選べる優待品、(3)2000円を同社指定の団体に寄付する社会貢献活動への寄付、の3項目から1項目選択できる制度を開始するとした。優待内容の詳細については、同社IRサイトを通じて紹介する。

 株価は12日915円(16円安)となり、8月上旬に1030円の上場来高値をつけたあと調整に転じているが、このところは高値までの上げ幅の「半値押し」の位置で下げ止まり、専門家の間には「極めて健康的な調整波動」との見方がある。業績が好調なため、値固めが完了すれば再び高値更新型の上昇軌道に乗る可能性が強い銘柄のひとつといえる。

 7月29日に発表した2016年3月期・第1四半期の連結決算(15年4~6月)は好調で、四半期ごとの連結財務諸表を作成し始めた時期の関係で前年同期との比較を開示していないが、営業利益は2億9800万円となり、期初に発表した第2四半期の累計見通し(4~9月)の2億100万円を超過し、純利益も1億9300万円となり、同じく第2四半期見通しの1億9200万円を凌駕。各利益項目とも上期計画を上回って着地した。

 ホームセンター事業ではハウスキーピング部門や加工食品を中心に収益を伸ばしたほか、飲料・園芸用品も好調に推移し、建設事業では、民間非住宅建築分野を中心に受注環境が良好で、特に、自走式立体駐車場建設での大型商業施設関連の受注により、受注残高が増加した。

 9月通期の連結業績見通しは営業利益が前期比11.2%増の11億3200万円を計画し、純利益は前期に繰延税金資産を計上した反動により同13.9%減の11億4800万円を見込むが、予想1株利益は116円42銭と高水準を保つ見込みだ。

 株価水準は割安そのもので、9月通期の予想1株利益をベースにした株価PERは7倍台後半。東証2部銘柄の平均PER17倍台後半との比較では割安感が強い。

 また、テクニカル観測では、高値更新軌道に乗る場合、高値から直近安値までの調整幅約140円を奪回してさらに同じ値幅の上げに発展する「倍返し」が発生する可能性があり、この場合は1170円どころまで上げる計算になる。

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