ベステラは24年1月期大幅増収・黒字予想

(決算速報)
ベステラ<1433>(東証プライム)は3月10日の取引時間終了後に23年1月期連結業績を発表した。前期比では受注・着工を予定していた大型解体工事の計画延長や役員退職慰労金引当の計上などで減収・赤字だったが、前回予想比では一部工事の追加受注などが寄与して前回予想を上回って着地した。24年1月期については堅調な受注見込案件の状況を踏まえて大幅増収・黒字予想としている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、収益拡大を期待したい。株価は昨年来安値圏で軟調展開だが、調整一巡して下値固め完了感を強めている。24年1月期予想を評価して出直りを期待したい。

■23年1月期減収・赤字着地、24年1月期大幅増収・黒字予想

23年1月期連結業績(22年12月8日付で下方修正、23年3月8日付で上方修正)は、売上高が22年1月期比8.5%減の54億58百万円、営業利益が2億15百万円の赤字(22年1月期は4億88百万円の黒字)、経常利益が94百万円の赤字(同7億21百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が64百万円の赤字(同13億91百万円の黒字)だった。配当は22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

前期比では、受注・着工を予定していた大型解体工事の計画延長、一部低利益率工事の影響、役員退職慰労金引当の計上などで減収・赤字だった。ただし前回予想比では、工事の順調な進捗や一部工事の追加受注などが寄与して前回予想を上回って着地した。売上総利益は34.4%減少、販管費は27.3%増加した。販管費では役員退職慰労金引当繰入額1億84百万円を計上した。特別利益では前期計上した企業結合における交換利益12億75百万円が剥落した。

プラント解体事業の完成工事高は8.6%減の52億42百万円、業界別構成比は電力が14%、製鉄が27%、石油・石化が27%、環境が15%、ガスが5%、3Dが2%、その他が10%(22年1月期は電力が21%、製鉄が17%、石油・石化が35%、環境が21%、ガスが2%、3Dが2%、その他が3%)だった。環境関連の工事需要の高まりや矢澤のグループ化で環境分野の構成比が上昇している。完成工事高のうち元請工事は13億14百万円で元請比率は25.1%(同19億68百万円で34.3%)だった。

受注高は46.3%増の70億円、23年1月期末時点の受注残高は33億52百万円となった。受注残高の業界別構成比は電力9%、製鉄10%、石油・石化74%、環境5%、ガス1%、その他1%となっている。受注残高ベースでは大型案件の影響で石油・石化の構成比が高くなっている。

なお、その他の兼業事業売上高は6.0%減の2億16百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が16億81百万円で営業利益が2億18百万円、第2四半期は売上高が8億52百万円で営業利益が1億43百万円の赤字、第3四半期は売上高が13億33百万円で営業利益が68百万円の赤字、第4四半期は売上高が15億95百万円で営業利益が2億22百万円の赤字だった。なお完成工事高は、顧客(施主)の設備投資計画に応じた季節性があり、下期(8月~1月)に増加する傾向がある。

24年1月期連結業績予想は売上高が23年1月期比42.9%増の78億円、営業利益が5億10百万円の黒字(23年1月期2億15百万円の赤字)、経常利益が5億86百万円の黒字(同94百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が4億円の黒字(同64百万円の赤字)としている。配当予想は23年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

堅調な受注見込案件の状況を踏まえて大幅増収・黒字予想としている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

株価は昨年来安値圏で軟調展開だが、調整一巡して下値固め完了感を強めている。24年1月期予想を評価して出直りを期待したい。3月10日の終値は909円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円14銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS493円97銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約82億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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